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人流減少も感染者減ってない?変異株影響か

2021年5月6日 20:34
人流減少も感染者減ってない?変異株影響か

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言以降、大阪では人流は減ってきていたものの、新規感染者数は横ばいを保ったままです。その理由を専門家は「変異ウイルスが影響していると考えられる」としています。


■連休で検査数減少も…東京で新たに591人

6日、東京では新たに591人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。1週間前の新規感染者数を下回っていますが、連休で検査数自体が減っていた影響もあるとみられ、7日以降の感染者数がどう出てくるか注目です。

そして、11日が期限とされている緊急事態宣言について、政府は延長する方向で調整を進めています。延長する場合、新たな期限については、2週間程度延長し「25日あたり」までとする案や、「5月末」までとする案、さらに「1か月程度」とする案が検討されています。

休業要請などについては、政府内から「今のような厳しい措置を、そんなに長くできないだろう」という声がある一方で、「宣言を延ばすのに、休業要請などを緩めるというのはおかしい」という声もあり、意見が分かれています。

短期集中だからこそ休業要請という強い措置がとられましたが、延長となると、経済がどこまで持ちこたえられるのか。そのバランスを見極めつつ、政府は7日に対策本部を開いて決定する見通しです。

■GW期間のJR利用「26%」(2019年比)

延長する場合は緊急事態宣言の効果を見極めることが必要となりますが、5日までのゴールデンウイーク期間中の人の流れがどうだったかをみていきます。

まずは、ゴールデンウイーク期間の新幹線などの利用状況です。JRグループ全体で新型コロナウイルス流行前の2019年と比べて26%、4分の1程度にとどまりました。

去年に続き我慢のゴールデンウイークとなりましたが、特に子どもがいる家庭などでは、ステイホームしながら楽しく連休を乗り切るために、いろいろと工夫をしているようです。

都内に住むある家族は、自宅のリビングにテントを張り、「おうちキャンプ」を楽しんだといいます。

都内在住・宮本真実さん「子供たちにカレー作ってもらったり、夜はランタンみたいなのをつけて、真っ暗にして家の電気を使わずに過ごしました。家にいるとケンカばっかりになっちゃったりするんですけど、ケンカせずにすごい盛り上がっててよかったかなと思います」

この家族は子どもが5人いるということで、母親は、本当のキャンプに行くより楽だったと話していました。

■人流減少も“新規感染”減らず…変異ウイルス影響か

東京都医学総合研究所の西田淳志センター長が人流を調べたデータによりますと、東京の繁華街の人出は、まん延防止等重点措置が始まった4月12日以降、夜間の人流はやや減少したということです。

緊急事態宣言が始まった4月25日以降は、日中も夜間も大きく減少し、連休がスタートした5月1日以降も、ゆるやかに減少が続いているということです。

大阪の繁華街の人出は、3月末から大きく減少したあと、なだらかに減り続け、緊急事態宣言以降も減少を続けているということです。

一方で、新規感染者数はなだらかに増加しています。これまでの実績では、人流が減ってから3週間ほど遅れて、新規感染者数も減ってきていましたが、現在は横ばいで1000人前後を保ったままです。

原因について西田氏は「変異ウイルスが影響していると考えられる」としています。変異ウイルスは、従来のウイルスに比べ感染が広がるスピードが速く、幅広い年代の人が感染する可能性が高いという特徴があります。大阪府の4月の報告では、感染が確認された人のうち約3割を対象に変異ウイルスの検査を行ったところ、変異が確認されたのは79.7%にのぼりました。

一方、東京では、3月1日からの1週間でみてみると、従来のウイルスと変異ウイルスの割合は半々で、感染力が強いとされる「N501Y」は6.3%でしたが、最新の数字では67.9%となり、約2か月で急速に拡大しました。西田氏は「これまでの分析の仕方が通用しなくなっている」と話しています。

これまでは、人流が減れば、いつごろ感染者が減ってくるのか予測できました。しかし今、その予測が難しくなってきています。西田氏は「人流が減少したからといってすぐに宣言を解除すれば、簡単にリバウンドする」と危機感を示しています。

都の関係者は「N501Yの感染力の強さを考えると(宣言)延長はやむを得ない」「若者や職場内の感染が増えていることから、対策強化を求め、期間も5月末までにしたい」と話していました。

     ◇

変異ウイルスの影響で、“人流を抑えれば少し遅れて感染者数も減少する”というこれまでの常識が覆りつつあります。宣言を延長するにしても、これまで通りの対策だけではもはや感染抑制にはつながらないという新しい常識を踏まえて、政府には、今度こそ期限ありきではない、実効性ある対策を打ち出してほしいと思います。

(2021年5月6日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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