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砂浜が消える…想定外に速く「侵食」進む訳

2021年5月13日 19:36
砂浜が消える…想定外に速く「侵食」進む訳

今、各地の海岸に異変が起きています。度重なる台風の高波などで、砂浜が想定よりも速く侵食されているそうです。自治体では、危機感を持ち、対策計画の見直しを行っています。

梅雨入り前の冷たい雨の中、神奈川県の海岸にはサーファーの姿が。海水浴やサーフィン、お祭りに花火大会など、新型コロナの影響がなければ、夏には多くの人でにぎわう神奈川県の海岸。しかし今、ゆっくりと進行している問題があるのです。

神奈川県藤沢土木事務所部長・細川順一さん
「茅ヶ崎海岸の菱沼地区という海岸で、ここも非常に侵食が著しい海岸です」

神奈川県の調査によりますと、茅ヶ崎海岸や鎌倉海岸など、相模湾に面した六つの海岸で、砂浜の一部が失われていたことが判明。こうした状況に、ことし3月、神奈川県は海岸の侵食対策計画の見直しを行いました。

川から運ばれる土砂が減少したことなど、複数の影響で減少しているという砂浜。特に、この10年で深刻だというのが――

藤沢土木事務所部長・細川さん
「近年、特に台風が大型化をして、かつ頻繁に来るようになっている。一層の侵食が出ていると」

およそ1年半前、台風19号が通過したあとの様子を見てみると、海岸沿いにつくられたサイクリングロードが、高波ですべて崩落していました。近年、相模湾沿岸の海岸では、度重なる大型の台風の高波で、侵食がより一層すすみ、災害のリスクが高まっているといいます。

藤沢土木事務所部長・細川さん
「相模湾の海岸線というのは、神奈川の貴重な財産ということで、今後10年くらいの間に、失われた砂浜を回復させていくと」

   ◇

侵食は千葉県でも。海岸の入り口に店をかまえる店主は――

協栄代表・内山信男さん
「(砂浜は)ちょうど、あそこの白波がたってる向こうあたりまで。野球やったり、この海が遊び場だった」

子どもの頃は、野球ができるほど砂浜が広かったといいます。千葉県によりますと、九十九里・白里海岸では、1961年と比べると、およそ50年後の2015年には、砂浜が侵食され、最大で90メートルも砂浜が消えた場所もあったということです。

砂の供給が減り、砂浜が消えている九十九里浜。

協栄代表・内山信男さん
「海水浴場ができなくなるんじゃないかな。(海水浴場が)できなければ、海の家の営業ができなくなる」

千葉県は、砂浜の幅を40メートル回復させることを目指しています。

   ◇

また、日本で唯一、車で砂浜を走れる石川県の観光スポットでも、日本海の荒波に侵食され、砂浜が消失。去年12月から通行ができなくなっていました。そのため、石川県は、緊急で砂を運び入れて復旧作業を進め、先月、通行規制が解除。再び車で走れるようになったのです。

国土交通省は、衛星画像などを用いて、対策が必要な海岸の調査を進めるとしています。

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