「薬剤師」が支えるワクチン接種の現場
保存方法が特殊な新型コロナウイルスのワクチン。人員が限られる中、看護師の負担を減らしてミスも防ごうと、神奈川県内の病院では薬剤師が活躍しています。管理や、解凍から注射器に入れるまでの作業を担当しています。接種を支える現場に迫りました。
■特殊な保存方法 「薬剤師」の出番
13日、神奈川県相模原市にある北里大学病院を訪ねました。この病院の薬剤師が新型コロナウイルスのワクチンを接種会場に運んでいました。
コロナワクチンは、超低温の冷凍庫から出し、3時間ほどかけて解凍した後、原液を生理食塩水で希釈してから注射器に入れます。この病院では、薬剤師がその作業を担っています。様子を見せてもらいました。
――何をしているところですか?
薬剤師
「(ワクチンの)原液に対して生理食塩水を加えて混ぜているところです」「1.8ccを取ってバイアル(瓶)に入れて、軽く混和した後、0.3ミリを5本取っていきます」
――薬剤師がやった方がいいのでしょうか?
「この薬(ワクチン)は保存方法が特殊なので、薬剤の管理というところから薬剤師が関与しています」
■限られた人員 看護師「負担」軽減
この病院では現在、1日200人以上にワクチンを接種しています。薬剤師が調製することで、看護師らへの負担も減らすことができるといいます。
岩村正嗣院長
「当然、限られた人的要員ですので、看護師は看護師の仕事に従事するという点で、非常に助かっています」
■奈良県で調製めぐる「ミス」も
ワクチンの調製をめぐっては、奈良県の生駒市立病院で、ワクチンを混ぜていない生理食塩水のみを接種するミスが発生しています。病院によると、看護師が使用済みの瓶にワクチンが入っていると勘違いして調製したことなどが原因でした。
神奈川県相模原市では、16日から高齢者への集団接種が始まる予定で、北里大学病院には、薬剤師の応援も要請されています。
厚田幸一郎薬剤部長
「みんな負担はあると思いますが、それはすべての職種が、そういうことを承知の上でやっているところだと思います。われわれとしても、可能な限り参加していこうかなとは思っています」
(5月13日『news zero』より)