職場のクラスター対策 「ランチ分散」で
政府は14日、新型コロナウイルスの感染対策として「ランチ分散」を打ち出しました。テレワークを一気に普及させることに難しさがある中、職場でのクラスター発生が多くなっているためです。効果を疑問視する声もありますが、私たちにできることは―。
■昼休みの「職場」対策…なぜ今
有働由美子キャスター
「14日、政府が新たに『ランチ分散』という新型コロナウイルスの感染対策を打ち出しました。例えば、お昼休みを30分ずつずらして取ることで、ランチで飲食店やコンビニが混雑することが減って、その結果、感染防止につながるという考え方です。なぜ今?とも思ってしまいますが…」
岩本乃蒼アナウンサー
「そもそも今、職場でのクラスターが多くなっています。厚生労働省の専門家組織『アドバイザリーボード』の資料によりますと、場所別のクラスター発生件数(4月1日~23日)は 職場が96、高齢者福祉施設86、学校・教育施設60、医療機関51でした。高齢者施設や学校を上回り、職場がトップでした」
■テレワーク「推進」も…目標未達
「本当なら、そこで『テレワーク推進を』というところなのですが、東京都によると、都内の企業の実施率は4月で56.6%。前回の緊急事態宣言中の2月前半の64.8%より低く、目標の7割は達成できていません」
有働キャスター
「なかなか、一気には上がらないですよね」
岩本アナウンサー
「そのためアドバイザリーボードでも、『出勤した場合も、食事など感染リスクとなる場を避ける対策強化が必要』という話が出ていました。ただ、感染症学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授は『分散をしても、会話をしたら意味がない。効果はそこまで出ないのでは』『リモート率を上げるしかない』と指摘しています」
有働
「『ランチ分散』を掲げたくなるほど切羽詰まっているということなのでしょうが、私たちにできることは、しっかりしていきましょう」
(5月14日『news zero』より)