涙声で“十字架背負う”克行被告 裁判結審
公職選挙法違反の罪に問われている元法務大臣の河井克行被告の裁判で最終弁論と最終意見陳述が行われ、結審しました。
克行被告は最終意見陳述で、涙声になりながらはっきりとした口調で、「十字架を背負って地元広島の地を歩く覚悟です」と語りました。
弁護側は最終弁論で、克行被告の現金提供について、「自身の政治基盤の確立など、より主な目的・理由があって現金を渡したのであって、決して買収一辺倒での行為ではない」と主張し、執行猶予付きの判決を求めました。その後、克行被告は最終意見陳述で冒頭、大きな声で「心から悔い改め深い悔悟を抱いております」と述べ、涙声になり鼻をすすり上げながら、「妻をダシにしてしまったことに日々自責の念を抱いております」と語りました。
そして、「弱音を吐くことをお許しいただけるならば自らの責任とはいえ31年間、人生の半分以上の時間を捧げてきたのが政治の道でありますから、断念することは自らの体を引き裂かれるような思いがしているのも事実であります」と述べました。
また、「一日も早く地元に帰り、お詫び行脚をさせていただきたい」「皆様に石つぶてを投げていただき十字架を背負って地元広島の地を歩く覚悟です」と、地元での謝罪への強い意思をみせました。
最後に、「私はこの事件に関する責任を一身に背負ってこれからの人生を歩んでまいります」と締めくくり、深く頭を下げました。
検察側は先月の論告で、懲役4年、追徴金150万円を求刑しています。判決は、6月18日に言い渡される予定です。