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高齢化とコロナ禍“後継者不足”解消へ…

2021年5月27日 21:36
高齢化とコロナ禍“後継者不足”解消へ…

感染拡大で苦戦している飲食店では廃業する店も相次いでいます。原因は業績の悪化だけでなく、後継者不足もあるといいます。伝統の味や技を受け継ごうと、ご当地ラーメンも新たに動き出しています。

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醤油ベースのスープと平べったい縮れ麺がよくからむ栃木県佐野市の“ご当地グルメ”、佐野ラーメン。だけでなく四川風マーボー豆腐をのせた進化形「佐野ラーメン」までも…

佐野市内にオープンしたばかりのラーメン店。店主はもともと、中華の料理人で、“ラーメンの道”へと進みました。きっかけは…

佐野らーめん晴れる屋 小林隆宏さん
「“佐野のラーメン予備校”のおかげで、よいスタートがきれましたね」

去年、佐野市が開設した「佐野らーめん予備校」です。ラーメン店だった空き店舗を活用し、現役のラーメン店の店主らが1階で調理を指導。2階では経営など、座学も行っています。

背景には、「佐野ラーメン」を巡る深刻な現状がありました。

佐野市総合戦略推進室 移住・定住係 小関満係長
「店主たちの高齢化が進んでいるところで、ラーメン店の担い手になる世代が少ないという現状はありますね」

市によると、この10年で15店舗ほどが“後継者不足”などの理由で閉店しているというのです。青竹を使い20分ほどかけて麺をうつなど、重労働が求められるため、若い人たちがやりたがらないといいます。

市はこのピンチを打破するため、入学を希望していた元中華料理人を0期生とし、モニターとして独立を応援。そこで得たノウハウを1期生たちの指導に役立てています。

そして「らーめん予備校」には もうひとつこんな目的も…

佐野らーめん予備校1期生 宮川岳大さん(41)
「自分で何かを作る、それを提供することに興味はあったので、本気でやるという形を自分の中に作りたかったので住所も佐野市の方に移して」

後継者不足解消はもちろん、佐野市に店を出すことで移住も促すことができる、まさに一石二鳥の取り組み。全国から入学希望が来ていて、先週は「2期生」4人が合格したということです。

後継者不足解消の取り組みは全国でも…

石川県七尾市にあるしいたけ農園。1個3000円ほどで取引されることもあるという高級品を作ってきましたが、その生産者が高齢化。後継者として名乗りをあげたのが、前職はペットショップの経営者、高島英二さん(58)です。

これまでのキャリアとは関係ない仕事を選んだワケは…

後継者 高島英二さん(58)
「人間的にひかれたところが大きい。私をもし必要としてくれるならお仕事させていただきたいものだと(先代に)会った日に思いました」

人柄にほれ込んだという高島さん。2人をつないだのは、“継いでほしい人”と“継ぎたい人”とをつなぐマッチングサービスです。

ニホン継業バンクを運営 浅井克俊さん
「廃業してしまったら二度と取り戻せない仕事はたくさんあって、小規模事業でも承継の機会を作れるのがこの業バンク」

自治体と連携していて、「ウサギ」を飼育するなど、求人誌ではなかなか見かけない仕事もあります。

日本一のシイタケ農家になろうと現在修業中の高島さん、最終的な目標は…

後継者 高島英二さん(58)
「地域に根ざしたものは残さないといけないと、これは(先代に)教えてもらいました。絶対つなげなきゃいけない。3代目まで事業の継承ができたら、私のお役目は御免かなと思う」