NIGOさんデザインの公共トイレが原宿に
Louis Vuittonからも自身のコレクションを発表しているNIGOさんが、東京・渋谷の公共トイレを一新させました。
■オフィス並ぶ明治通りに一軒家のような公共トイレ
原宿・明治通り沿いにたたずむ一軒家のような建物。実はこれ公共トイレなんです。5月31日に利用スタート。入り口や窓枠はミントグリーンで彩られ、爽やかな印象です。
このデザインを手がけたのは、ファッションデザイナーのNIGOさん。Louis Vuittonやadidasから自身のコレクションを発表したほか、音楽の分野でも精力的に活動中です。
このトイレのテーマは「THE HOUSE」「コンセプトは温故知新。まずはなによりトイレとしての入りやすさと使いやすさを第一に考え、高いビルが建ち並び、日々変わりゆく東京とは対照的に、原宿の片隅にひっそりと建つ、古き良き一軒家をイメージしました」とコメントしています。
■中は白が基調
建物の中は、男性・女性用のトイレが各一つずつ、それに加えてバリアフリーのトイレも。中は光沢のある白がベースで、清潔で明るいのが特徴的です。
天井には換気用のファンも設置。部屋の一室のように感じられます。実際に利用した20歳の女性は――
「(改修)前に使ったことがあるが、見た目がきれいに変わっていてびっくりした。公衆トイレはやっぱり汚いというイメージがあるので、きれいに改修してくれるのはありがたいし入りやすくなる」
■渋谷の公共トイレを“生まれ変わらせたい”「THE TOKYO TOILET」
清潔なイメージはあまり持たれていない公共トイレ。なぜ改修することになったのでしょうか?
それは、公共トイレが4K「くさい、汚い、暗い、怖い」などの理由から利用されにくい状態だったということがありました。
そこで、日本財団と渋谷区、渋谷区観光協会の3者がタッグを組み、区内の公共トイレを生まれ変わらせるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」を立ち上げたのです。
日本財団の担当者は、「あまり清潔なイメージのない公共トイレを国内外で活躍するクリエイターらのデザインにより改修することで、誰もが快適に気持ちよく使用できるよう世の中に広めていきたい」と話します。
■昨年から改修 安藤忠雄さんも
「THE TOKYO TOILET」では渋谷区の特に利用者が多いとされる17カ所の公共トイレの改修を予定。
建築家の安藤忠雄さんがデザインを手がけた公共トイレは渋谷区の神宮前に。富ヶ谷には、建築家・坂茂さんデザインの公共トイレが。既に8カ所のトイレがクリエイターらの手によって新しく生まれ変わっています。
■清掃ユニホームもNIGOさんが監修
NIGOさんが手がけたのは公共トイレだけではありません。1日3回の清掃を行う清掃員のユニホームのデザインもNIGOさんが監修。清掃員のモチベーションアップにつながっているといいます。
NIGOさんは利用者へ次のようにコメント。
「美しく、きれいに、いつまでも。そんな気持ちでご使用いただけたら幸いです」
今月24日には新国立競技場のデザインも手がけた、建築家の隈研吾さんが手がける新たなトイレの利用が渋谷区松濤でスタート。残りのトイレも今年度中には改修を終える予定です。