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初の“電力需給ひっ迫警報”真冬の寒さでも節電呼びかけ

2022年3月22日 20:29
初の“電力需給ひっ迫警報”真冬の寒さでも節電呼びかけ

22日、初めての「電力需給ひっ迫警報」が出され、節電が進まない場合に、一部で停電が起きるおそれがあるということです。東京でも雪が降る寒さの中、各家庭で節電の取り組みが行われていました。

   ◇

茨城・水戸市で3センチの積雪を観測するなど、関東で季節外れの雪が降りました。

女性
「3月にみぞれまじりの雪が降るなんて、驚いています」

この季節外れの寒さなどの影響で、急きょ、呼びかけられた節電。

女性
「きょうは(洗濯機を)1回だけまわしてためてあります。電気を使うだろうなと思って」

ただ、節電が進まないと、午後8時以降に最大300万軒規模で停電となるおそれがでています。

   ◇

22日、神奈川県・箱根町では、大粒の雪が舞っていました。3月も半ばを過ぎたのに、手ですくえるほど雪も積もっていました。

遊覧船乗り場では、雪かきに追われていました。観光に来ていた人からは――

姫路から来た家族
「珍しいですね」

横浜から来た夫婦
「今年最後の雪かなと」

道路も滑りやすくなる中、出会ったのは、タイヤに布製のチェーンをはめる男性です。

――慣れてるんですか?

横浜から来た人
「初めてです。YouTubeで見て」

旅行中、急な雪に足止めを食らっていました。

横浜から来た人
「思っていた以上に箱根は積もっちゃった。無理だったら引き返す」

   ◇

関東の広い範囲で雪となった22日、都内でも午前中から雪となりました。東京・東村山市でも雪が舞い、立川市では大粒の雪が降り、季節外れの雪にはしゃぐ子供の姿がありました。

そして、都心でも約1か月ぶりの雪になり、日中の気温は1.8℃まで下がり、真冬の寒さとなりました。

この雪が降るほどの寒さの中、22日、政府が初めて出したのが、「電力需給ひっ迫警報」です。

電力需給が非常に厳しく、停電が起こるおそれがあるとして、東京電力管内の1都8県と、東北電力管内の7県に節電を呼びかけたのです。

取材スタッフが22日に訪ねたのは、都内に住む高野さんのお宅です。部屋の中にお邪魔すると、リビングのテレビや照明が消された状態となっていました。

高野愛海さん
「何かやらなきゃ、寒いし、『(節電に向けて)何か対策はしなきゃな』と思いました」

ニュースを見て節電を心がけたといいます。

さらに、普段は1日3回まわす洗濯機を22日は1回にし、洗濯物がたまっていました。

高野さん
「子供が3人いるので、ずっと洗濯物回してなきゃいけないんですけど、きょうは1回にしておこうと」

停電になる可能性もある中、生まれたばかりの赤ちゃんがいる高野さんにはこんな不安もありました。

高野さん
「一番困るのが(赤ちゃん用の)ミルクで、お湯はケトルで沸かしているし、マンション自体がIHなので」

高野さんは「災害用のミルクで対応するしかない」と話していました。

   ◇

先週起きた福島県沖の地震で、複数の火力発電所が停止する中、季節外れの寒さで起こりかねない電力不足。

大規模な停電を防ぐために、企業なども節電を進めています。

京浜急行では、一部の駅で昼過ぎからエスカレーターを停止しました。

駅の利用者
「子供がいると、階段でスリップしたりとか危ないので、(エスカレーターが)ちょっと止まってしまうと不便なところがある」

空の玄関口、羽田空港でも、国内線ターミナルで一部の照明を暗くするなどの対応がとられました。

家電量販店では、テレビ売り場に並ぶ一部商品の電源を落とすことで節電。

さらに街のそば店も協力し、天井のサイドライトは消灯、お手洗いの電気は使う時だけつけるようにしているということです。


「『協力的で貢献されているんだな』といい印象」

「無駄な電力は使わないように、小さな意識がけを日頃できたらいいかなと」

ツイッター上でも、「節電ということで石油ストーブ出しました。薬缶でお湯も沸かせてポット要らず」「今日はIHは使わずにカセットコンロで調理します」といった投稿がみられました。

節電への取り組みが進む一方で、東京電力は午後4時ごろ、「電力需給が極めて厳しくなっている」とした上で、「このままの状況が続くと、午後8時以降に200万から300万軒規模の停電が発生するおそれがある」と発表しました。東京電力では更なる節電への協力を呼びかけています。