広く天気大荒れ“アジサイ寺”苦渋の決断も
発達した低気圧や前線により、4日は列島の広い範囲で大雨と暴風になりました。東京でも荒れた天気となる中、緊急事態宣言での影響を受けた施設ではオープンや再開の動きもありました。奈良県の矢田寺では、梅雨のかき入れ時に頭を悩ませていました。
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午後2時過ぎの東京・渋谷。強風で飛ばされてしまった傘。全国の広い範囲で激しい雨となった4日。東京お台場でも、強風が吹き荒れ、横殴りの雨に。各地で傘がひっくり返ってしまう人が続出。
20代会社員「めっちゃぬれてる。傘さしてたんですよ。これでも」
20代学生「横から雨がくるので(傘を)さしてても意味がない」
横浜でも。正午過ぎの桜木町では激しい雨が降っています。全国各地で吹き荒れた強風。関東でも電柱が折れる被害が。
発達した低気圧や前線により広い範囲で荒れた天気となった4日。鹿児島県・枕崎市では地下から水があふれ道路が冠水。車が通るたびに大きな水しぶきが上がっていました。
神奈川県・箱根町では。午後3時前の芦ノ湖では雨風ともに強く、横殴りの雨が降っています。コロナの影響で観光客が減る中、大雨でさらに客足が遠のいているようです。
神奈川県から来た観光客「きのう来たんですけど、きのうは晴れていて、きょうは雨降っているので帰ろうかな」
北海道の新千歳空港で撮影された映像からは、雨風をさえぎるものがなく、航空会社の職員は両手を広げ耐えているように見えますが、強風でよろけてしまう場面も。
札幌市では。強風で大きく揺れる信号機。郵便配達のバイクも前に進むのがやっとです。大通公園では、大木が幹から折れ道路の一部をふさぎました。
札幌では午前4時半ごろに最大瞬間風速24.6メートルを観測するなど未明から強い風が吹いています。
「傘、朝来るときに1本折れて、いま会社の傘を1本借りたんです。いまちょうど外勤で出て来たんですが、靴もびしょびしょになっちゃって帰りたい」
恵庭市では。工場にかけられていた足場が大きく傾き、一部は電線に引っかかっています。足場をなぎ倒すほどの強風。
遠軽町では、倒木の撤去作業をしていた男性2人が別の倒木に巻き込まれました。病院に搬送され、1人は意識不明の重体で、もう1人は軽傷だということです。
また神奈川県・藤沢市では電柱が折れる被害も。警察によりますと、強風の影響で折れたとみられています。
東京でも降り続いた雨。あいにくの天気にもかかわらず、浅草では朝から衣料品店「ユニクロ」の新店舗の開店を待つ行列が。
店員「この悪天候の状況のため、店内にてお待ちいただけるように、ただ今よりお客さまをご誘導させていただきます」
雨の影響もあり、早めに客を店内に入れて対応。
店員「オープンいたします」
緊急事態宣言を受け、延期していたオープンを無事、4日に迎えました。浅草の魅力がつまった商品が並ぶ店内に、お客さんも。
お客さん「すごくきれいで商品も見やすくて、買い物しやすかったのでいっぱい買っちゃいました」「暗いニュースばっかりだったので、オープンはとても楽しみにしていました」
雨にも負けず、にぎわいを取り戻しつつある店がある一方、新型コロナの打撃を避けられないところも。
山宮商店・山宮直敏さん「物販も全部ひどいです。しようがないんですけどね。人が出てこないんだから」
梅雨時に欠かせない「傘」を販売するこちらの店。緊急事態宣言などで外出の機会が減ったこともあり、売り上げが例年の半分以下になっているといいます。
山宮直敏さん「これから我々が忙しくなる時期なんですけど。我慢、我慢、我慢ですよね」
梅雨のかき入れ時に同じく頭を悩ませていたのは、奈良県の矢田寺。例年、梅雨の時期になると境内に広がるのは、紫やピンクに色づいた、およそ1万株ものアジサイ。県内外からおよそ7万人の観光客が訪れ、アジサイ寺とも呼ばれているといいます。
しかし今年は、緑の葉っぱだけが続く境内。アジサイの茎の先端は切り落とされたような跡が。
矢田寺・前川真澄住職「境内に入ってきてアジサイを見ると、そういう方が増えるのを危惧しまして。花を摘むということになった」
観光客がやってきて密になることなどを避けるため、先月のうちに、およそ1万株すべてのつぼみを刈り取ったのです。
前川真澄住職「心苦しいという感じもあるんですけど、来られた方がコロナにうつって帰られても困るし、致し方なかったかなと」