赤ちゃんと災害の備え 液体ミルクって何?
もしも大雨や地震などの災害で水や電気、ガスが使えなくなってしまったら…。乳児には母乳やミルクが必要不可欠ですが、災害時は粉ミルクを溶かすためのお湯の入手が難しくなるため、そのまま与えることができる「液体ミルク」が便利です。
大雨や地震などの災害が発生すると、水や電気、ガスが止まってしまうこともあり、粉ミルクを調乳することが難しくなります。そのような事態に備え、液体ミルクを備蓄している家庭も増えてきています。
江崎グリコによりますと、液体ミルクが日本に広まったのはまだ最近のこと。2016年に熊本地震が発生した際、フィンランドから支援物資として液体ミルクが届いたことで知られるようになり、これがきっかけとなって、2019年に初めて国産の液体ミルクが販売されるようになりました。現在は江崎グリコ、明治、雪印ビーンスタークが、保存のきく紙パックやスチール缶で乳児用の液体ミルクを販売しています。
■液体ミルクにはどんなメリットが?
この液体ミルクのメリットは、なんといっても常温でそのまま与えることができる「手軽さ」。粉ミルクのようにお湯で溶かして人肌に冷まし…という手間がなく、開封したらそのまま与えることができます。
調乳の必要がなく災害などで水や電気、ガスなどが止まってしまったときにも備蓄があると安心です。乳児に粉ミルクを与えている家庭では、通常の非常食に加え液体ミルクも多めにストックしておき、使いながら買い足していく「ローリングストック」をすると、いざというときにも安心でしょう。
■ほ乳瓶もストックを
また、災害時はほ乳瓶の洗浄や消毒が普段のようにできなくなることがあります。あらかじめ滅菌された使い捨てのほ乳瓶を液体ミルクと一緒に備蓄しておくといいでしょう。
「日本母乳の会」によると、災害時に衛生的なほ乳瓶が用意できない場合は、使い捨ての新しい紙コップを使って与えることもできるようです。その場合は赤ちゃんを縦抱きにし、紙コップの中のミルクが唇に触れる程度に傾けて、赤ちゃんが自分の力で飲むように与えるとよいということです。口の中に注ぎ込んでしまうことがないよう注意してください。
■赤ちゃんのためにも日頃から備えを
まもなく本格的な梅雨の時期がおとずれます。赤ちゃんがいる家庭では、大人の非常食や備蓄品に加え、赤ちゃんの非常食や備蓄品も再確認しておきましょう。液体ミルクなどは、災害が発生してからでは入荷の遅れや大量購入により品薄になることがあります。もしもの時に赤ちゃんを待たせることなく、安全にミルクを与えられるように一定量の備蓄をし、コップ授乳を試してみるなど、日頃から災害への備えを心がけてください。