赤木ファイル開示…妻「指示した人の名は」
近畿財務局の赤木俊夫さんは、公文書改ざんを苦に自ら命を絶ちました。森友学園をめぐる公文書改ざんの経緯について記録した、いわゆる「赤木ファイル」が22日、開示されました。
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自殺した俊夫さんの妻の赤木雅子さんは「すごく胸が詰まる思いがしました。国家公務員として、国民の皆さんに残していたものだと思うので大切に読ませていただきたい」と話しました。
夫の死の真相を知るため、赤木雅子さんは国などを訴えました。
公文書改ざんを苦に自ら命を絶った夫の俊夫さんが、経緯などをまとめた、いわゆる「赤木ファイル」がついに開示されました。先月、国が初めて存在を認めたファイルに、残されていたものとはなんだったのでしょうか。
国有地が、およそ8億円も値引きされ、売却された、“森友問題”。建設中だった小学校の名誉校長が、安倍前総理の妻・昭恵氏だったことから関係を批判され、財務省が手を染めたのが、公文書の改ざんでした。俊夫さんは、改ざんの作業を強いられました。
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自ら命を絶つ3日前には…。
俊夫さん「わし車ででかける。それだけ許して」
妻・雅子さん「いけん、絶対いや」
赤木雅子さんによると「これ車で死にに行こうとしているんです」ということです。
妻・雅子さん「とっちゃん(俊夫さん)そんなので死ぬって、頭おかしくなってるよ」
俊夫さん「大丈夫」
妻・雅子さん「大丈夫じゃないよ」
赤木雅子さんは「『死にたい、死にたい』とそればかり言って大変でした」と話していました。
その俊夫さんが残したファイルの冒頭には、「修正することは問題があり、行うべきでないと財務省の担当者に強く抗議した」と記されていたほか、中には、当時の理財局長・佐川氏から、国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示があったとの内容もありました。
さらに、10回にわたる改ざんの作業過程がまとめられていました。最初に改ざんが行われたのは、2017年2月26日です。財務省理財局から改ざんに関する多くのメールが、俊夫さんらに送りつけられていました。
開示された赤木ファイル 2017年2月26日のメール
財務省理財局 国有財産審理室・係長
「今後開示請求があった際のことを踏まえると、現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります」
「当該箇所をマーキングしておきました」
昭恵夫人や政治家らの名前がある部分などをマーキングし、削除するよう具体的な指示もありました。ただ、メールの差出人は、黒塗りにされていました。開示されたファイルでは、指示した人物などの名前が隠されていたのです。
赤木雅子さんは「指示者の名前が黒塗りにされていたので、それでは何の意味もない。夫を苦しめるような指示をした人の名前は、知りたいです」と再調査を求めています。
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麻生財務相は「財務省としてできる限り調査を尽くした結果を示したものであり、再調査を行うということを考えているわけではありません」と述べました。
6月22日「news zero」より。