夫婦別姓認めず…「法的な家族と認めて」
事実婚を選択したカップルが、夫婦別姓を認めない民法などの規定が憲法違反だと訴えていた審判について、23日、最高裁は「憲法違反には当たらない」との判断を示しました。
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23日、真島幸乃さん(仮名・40代)は最高裁判所に向かいました。
夫婦別姓を希望する真島幸乃さん(仮名・40代)
「なにかやれることやっていこうと思い始めて、動き出してからは長いし、早いしみたいな」
真島さんと、事実婚の関係にある有本信さん(仮名・40代)は、夫婦別姓を希望する婚姻届を受理するよう求めています。20年前、2人は、お互いの名字を尊重するため事実婚を選択しました。
夫婦別姓を希望する真島幸乃さん(仮名・40代)
「自分を表してきた名前だし、それで人ともつながってきて、社会からもその名前で認識されてきた経過があるので」
3人の子供たちは、親権を持つ父親の姓を名乗っていますが、日常生活に支障はないといいます。それでも─。
夫婦別姓を希望する真島幸乃さん(仮名・40代)
「誰かが病気になったときに、配偶者じゃないけど承諾書が書けるか、親権者じゃないけどサインが書けるかという保証がない」
そして3年前、2人は夫婦別姓を希望する婚姻届を提出しました。しかし、民法などの規定に違反しているとして受理されませんでした。
真島さんと有本さんは、婚姻届の受理を求めて審判を申し立てました。1審、2審では主張は認められず、ほか2組の事実婚の夫婦の申し立てとともに、最高裁で審理が行われてきました。
夫婦別姓をめぐっては、2015年に最高裁が、民法の規定は憲法違反に当たらない、と判断しています。
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そして23日、最高裁大法廷が出した決定は─。
最高裁大法廷の決定
「社会の変化や国民の意識の変化といった諸事情を踏まえても、2015年の判決の判断を変更すべきものとは認められない。」
また、夫婦の名字のあり方については「国会で判断されるべき」としました。
これを受け、申し立てをした事実婚の夫婦らは─。
夫婦別姓を希望する高橋彩さん(仮名)
「期待を込めて、婚姻届を書いたんですけど、本当はきょう帰りに市役所に出したかったんですよね。それが出せないというのがすごく残念です」
夫婦別姓を希望する真島幸乃さん(仮名・40代)
「他人である自分たちが、家族として夫婦別姓を希望する。社会で法的に扱ってもらうという意味では、婚姻届はものすごく大きな効力を持っているので、子供たちを心配するなら法的な家族として認めてほしい」
6月23日放送「news zero」より。