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「夫婦別姓」再び憲法判断へ…最高裁は

2021年6月22日 17:59
「夫婦別姓」再び憲法判断へ…最高裁は

23日、夫婦別姓を認めていない日本の法制度が憲法違反に当たるかどうか最高裁判所が、2015年以来6年ぶり2度目の憲法判断を示す見通しとなっています。

■前回2015年は憲法違反ではないとの「合憲」判断

夫婦別姓をめぐっては6年前の2015年12月に最高裁が初めてとなる憲法判断を出しています。この時は「夫婦が同じ名字を名乗るのは我が国の社会に定着していて合理性が認められる」、「アイデンティティーの喪失感などの不利益は通称使用が広まることで一定程度、緩和される」として、「夫婦別姓を認めないのは憲法違反ではない」とする「合憲」判決が出されました。

■しかし最高裁裁判官15人のうち5人が違憲との判断

前回の判決は、夫婦別姓についての初めての憲法判断ということもあり、法曹関係者の間では判決前から今回は「合憲」だろうとの見方が大勢を占めていました。ところが、フタを開けてみると15人いる最高裁裁判官のうち女性3人を含む5人が「違憲」、つまり憲法違反だとの判断を示し、判事の間で意見が割れた判決は一定の驚きを持って受け止められました。

■前回判決からわずか6年で2度目の憲法判断

その後も夫婦別姓を求める裁判は各地で相次いでいましたが、去年12月、最高裁は再び長官を含む裁判官15人全員が参加する大法廷で審理することを決めました。大法廷での審理は通常1年弱続けられることが多いですが、今回、最高裁は審理開始からおよそ半年で決定を出すことを決めました。

政治に影響が及ぶことを避けたのか通常国会閉会直後の発表でした。前回判決からわずか6年で2度目の憲法判断を出す見通しのため、前回とは違った判断が出されるのではとの見方も出ています。

■前回違憲の5判事は全員退官「保守化」により合憲との見方も

一方、前回からは最高裁判事の構成が大きく変化しているため、再び「合憲」判断が出されるのではないかとの見方もあります。実際、前回、違憲判断を出した女性3人を含む5人の最高裁判事は全員が退官し1人も残っていません。また、女性判事の人数も3人から2人へと減少しています。最高裁判事については安倍政権の下で以前より「保守化」が進んだとの指摘も多く出されています。

■法曹界の頂点「神々」の判断は

法曹界の頂点に君臨することから「神々」とも呼ばれる15人の最高裁判所の裁判官たち。23日、どのような憲法判断を下すのか。「神々」の間でどう意見が分かれるのかも注目されています。