ワクチン不足で予約キャンセル 怒りの声も
■「夜間接種」区外在住でも接種OK
渋谷区とアプリ運用会社「スマートニュース」が協力して始めた、夜間の新型コロナウイルスワクチン接種が2日夜、区内で行われました。約500人が接種を受けましたが、社員や区民だけでなく、渋谷区で働く人や買い物客らも、予約した上で接種することができます。
世田谷区民(20代)
「今までゆかりのある会社ではなかったので、非常にありがたいですよね」
千葉県市川市民(50代)
「高齢の父と同居していますし、私が唯一、都心まで出勤しているので、ほっとしています」
■河野大臣 自治体むけワクチン「希望量の3分の1」
接種を進めようと工夫が続く中、河野ワクチン担当相は、現在承認の連絡が来ていない企業や大学へのワクチンについては、8月の1週目から順次配送する予定と明らかにしました。会見で「今確認ができていない会場について、7月中に接種を始めるのは、非常に難しい状況になっております」と説明しました。
政府関係者によると、申請された約5200会場のうち、半数ほどが未承認だといいます。
さらに、河野大臣は自治体むけについて「供給量が希望量の3分の1でございますので、希望量の配送というのはできません」と述べました。
■「納得いかない」予約キャンセルに
その影響を受け、京都市の堀川病院は、「新規の予約申し込みは停止いたします」「一日も早く接種いただけるよう取り組んで参りました矢先の突然の通達で大変困惑しております」などとホームページで周知しました。
理由は、京都市から届いたワクチン不足の知らせだといいます。堀川病院の山田事務長は「『ワクチン接種のスピードが国の供給量を大きく上回っている中で、不足する状況に至りました』と(いう内容でした)」
これまでは週に420回分のワクチンを受け取っていましたが、来週からは120回分に減らされることに。そのため、予約をしていた人にもキャンセルをお願いしているといいます。
山田事務長
「(キャンセル対象が)270人おられまして、昨日と今日で全員の電話連絡を行っています」
岩本乃蒼アナウンサー
「予約されていた方の反応はいかがですか?」
山田事務長
「全員落胆されております。『市長と相談せい!』みたいなことを言っておられる方もおられますし、『納得いかない』という方ももちろんおられますし。見通しが立てば、キャンセルした人の怒りも半減すると思うんですよ」
■知事ら「重点配分」を国に要望
ワクチンをめぐっては、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の知事は、「今後のワクチンの配分計画に懸念がある」として、感染リスクの高い地域に重点的に配分することなどを、国に対し共同で要望しています。
大阪府の吉村知事は、河野大臣や菅首相に面会。河野大臣には「できるだけ早くワクチンを供給していくことが国家的に必要ではないか」と伝え、感染が広がりやすい地域に集中的に供給するよう求めました。
(7月2日『news zero』より)