“まん延防止”延長か? 五輪「無観客」も
1都3県へのまん延防止等重点措置の延長について、政府は8日にも正式に決める方針です。これを受けて、東京オリンピックの開会式などを無観客にするかどうかも判断される見通しですが、会場周辺からは戸惑いの声も上がっています。
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新たに920人の感染が確認された東京。1日の感染者が900人を上回るのは5月13日以来です。リバウンド傾向が顕著となる中、期限まであと4日となった“まん延防止措置”。
街の人
「“まん延防止”が延期これ以上されると大変かなと」
政府は首都圏1都3県について、東京オリンピック閉会後までの1か月程度、延長する案を軸に検討。政府内には、東京は緊急事態宣言に格上げすべきとの声も出てきていて、8日、正式に方針を決定します。
7日、政府分科会の尾身会長は、東京大会も開催されるここからの2か月あまりが、感染対策の最も重要な時期の一つだと指摘。
政府分科会 尾身会長
「(東京都の)重症者数も少しずつ増えている兆候が見えているんですね。オリンピック・パラリンピックが始まる前に、効果的な対策を打つことが必要だと思います」
“まん延防止措置”が“延長”となれば、影響が及ぶのが観客です。現在、収容定員50%以内で1万人という政府の基準のもと、準備が進められている観客の上限。ただ、関係者によりますと、政府や組織委員会が、開閉会式や観客が5000人を超える大規模会場の競技、また、午後9時以降の夜間の競技を「無観客」とする案も検討しています。
念願かなって、開会式と陸上決勝のチケットが当たった人に話を聞きました。
開会式と陸上競技のチケット保有者
「開会式のチケット2枚、陸上のチケット2枚」
しかし、どちらも“無観客になる可能性”があるのです。
開会式と陸上競技のチケット保有者
「どちらも当たってすごくうれしかったので、今この状況はちょっと残念だなと」
観客をめぐって、7日、国会で…
立憲民主党 枝野代表
「まさか一般の観客は入れないけれども、いわゆるオリンピックファミリーとかスポンサー企業関連者、関係者だけは開会式を見ますとか、競技を見ますとか、こんなバカなことはあり得ないですよね。さすがに国民の理解を得られないと思いますので」
丹羽秀樹文科副大臣
「他のスポーツイベント同様、主催者側であるというですね、(オリンピック関係者らは)観客に含まれないというふうに理解いたしております」
オリンピック関係者らは“別枠”だとする政府。尾身会長は、大会の運営に直接関わらない人が多く入れば、「国民に矛盾したメッセージを送ることになる」としています。
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オリンピックのゴルフの会場から車で30分ほどの距離にある、埼玉県川越市のホテル。いわゆる“オリンピック需要”を見込んで、1年ほど前に開業し、期間中の予約はほぼ満室。しかし、「もし無観客になったら…」と、大きな不安を抱えていました。
川越東武ホテル・宿泊部マネジャー 宇賀神克浩さん
「ゴルフの男子と女子の8日間になりますと、想定で(観客数分だけで)800万円ほどがキャンセルになるんじゃないかと。大きな痛手となりますね」
また、“まん延防止措置”が延長となった場合、酒の提供が再び禁止となるのかについても焦点ですが、魚料理が売りの都内の居酒屋では…
鰓呼吸 橋本知浩さん
「今、現状でかなり厳しい状態なので、これ以上厳しくされるのは正直、想像もしたくない」
そんな中、店では、長引く時短営業で行き場を失った魚を使って生産者を支援する“あるメニュー”を7日にスタートさせました。
次から次へと丼に盛られていく生マグロ。
店員
「まだ、いって平気?」
お客さん
「ありがとうございま~す」
お客さんが「ありがとう」というまで、ひたすらマグロを盛ってくれる、その名も“こぼれ生鮪鉄火丼”。(1098円 ※1人1オーダーまで ※売り切れの場合あり)
時短要請が続く限りは、このメニューを提供するということです。
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一方、今、問題となっているワクチンの供給不足。広島県尾道市では、国から供給されるファイザー製ワクチンが減少していることを受け、予約が一時停止する事態となりました。
尾道市 平谷祐宏市長
「56歳~59歳の接種券のお持ちの方に、予約はお待ちいただきたい」
これについて田村厚生労働相は、ワクチン接種が想定よりも速いスピードで進んでいる事が背景にあると説明。河野ワクチン接種担当相と調整し、供給がうまく行くよう努力したいと述べています。