土石流発生から6日目 雨の中、捜索続く
土石流の発生から6日目。静岡県熱海市では雨の中、懸命の捜索が行われています。静岡県は会見を行い、崩落した土砂の量はおよそ5万5500立方メートルと発表しました。
◇
静岡県熱海市で土石流が起きてから6日目。
記者
「きょうも朝から手作業で大量の土砂を取り除くなどして、必死の捜索活動が行われています」
8日、新たに2人の死亡が確認され、死者は9人に。22人の安否がわかっていません。
こうした中、熱海市役所にはスーパーボランティアとして知られる尾畠春夫さんの姿がありました。しかし、受け入れ態勢が整っていないとして、捜索への参加は認められませんでした。
スーパーボランティア 尾畠春夫さん「がれきの中でまだ呼吸している人がいるかもしれないですよ」
◇
2キロにわたって流れた土石流。街をのみ込み、海にまで到達しました。
その海で1人で捜索活動をしている男性がいます。地元の漁師、金子友一さんです。
漁師 金子友一さん
「流された人も当然、港で出てきているので、万が一いたときにはなんとか見つけてあげたいなという気持ちだけです」
潮が引いた時間に、港やその周辺で安否不明者をさがしているという金子さん。見せてくれたのは、海の中から回収した写真です。
漁師 金子友一さん
「(写真は)何かの思い出だとか、いろんな意味があるだろうから、目につく範囲内できれいな写りのいいものは拾うようにしています。(今後は)ちゃんと引き取ってもらえるのが一番いい」
◇
一方、熱海市内の小・中・高校は、一部を除き、8日から再開。また、被災地付近を走る「熱海ビーチライン」は、8日から10日の午後5時まで、緊急車両と地元住民の車両が通行できるようになりました。
市内にある寺を訪ねると…
誓欣院 長田明頼住職
「こちらが支援物資になります」
この寺ではSNSで支援物資を募集し、避難所となっているホテルに届けています。
誓欣院 長田明頼住職
「役所は大丈夫だと言っていても、実際に現場の声を聞くと、これが足りない、あれが足りないと。下着、生理用品、紙おむつ」
◇
雨となった被災地。
記者
「お昼前から雨が強まってきました。この雨によって中断を交えながらの作業となっています」
こうした状況に専門家は…
地盤防災工学が専門 関東学院大学理工学部・規矩大義教授
「さらに雨水が入っていくと、もっと崩れる危険性は高くなっていると思います」
週末までは断続的に雨が降りやすい状況。そのため…
地盤防災工学が専門 関東学院大学理工学部・規矩大義教授
「今でも上流部に(土砂が)たまってると思うんですね。上からさらに少し流れが来ても、一気に下流まで流れてきてしまわないように、少し(上流部の)土砂を取り除いてあげる必要があるんじゃないかなと」
土石流のおよそ半分を占め、被害を拡大させた盛り土。静岡県は崩落した土砂量について、推定、およそ5万5500立方メートルと発表しました。
◇
熱海市と静岡県警は、安否確認が取れていない人を公表しています。熱海市が公表しているのは午後4時時点で21人。午前10時時点で静岡県警が公表しているのは1人です。市と警察は情報提供を呼びかけています。