能登豪雨 地震に続く「複合災害」…対策は【キキコミ】
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○櫻井
1月の地震。そして今回の豪雨と“二度の災害”に見舞われた能登半島。
今回、被害が大きくなった理由の1つに、地震の影響も指摘されています。
こちらは、珠洲市を流れる若山川ですが、豪雨で氾濫。
家が今にも流されそうになっているのがわかります。
国土交通省は、地震の影響で、こうした川の堤防に被害が出ているとして注意を呼びかけていましたが、実際に氾濫が起きた形で、専門家は、「不幸な条件が重なった複合災害」と指摘します。
○防災システム研究所
山村武彦 所長
「大地震によって発生したことは、地盤が緩んだ。斜面崩壊が約2000か所あると言われています。そういったなかで、大雨が降ると、土砂が樹木と一緒に流れ出してくる。河川も堤防に亀裂が入っていたり堤防自身が沈下していたりして氾濫しやすい状態になっていました。」
「私はこれまでに、5回ほど能登半島の被災地に行っていますが、住民の方々も『山が緩んでいるから大雨降ると怖いよね』とおっしゃっていました。それでも、これほどの大雨が降るとは思っていなかったので、警戒の度合いが違っていたのかなと思います」
○藤井
今回は、仮設住宅でも床上の浸水がありました。なかなか当たらなかった仮設住宅で、場所を選ぶことができないなかで、こういう被害があった。本当に心が折れてしまう方もいらっしゃるかもしれないですね。
○櫻井
これからだ、という方も少なくなかったと思います。
こうした、いつ起きてもおかしくない「複合災害」について、山村さんは「1度目の災害が起きた後の対応が重要だ」と指摘しています。
○櫻井
「地震の後の対策という点では、どういうことが考えられますか」
○防災システム研究所
山村武彦 所長
「大地震のあとは、豪雨災害のリスクが高まることを住民に知らせる努力が非常に重要です。住民がリスクを知らなければ、早期避難をすることができない。大地震の後は、洪水ハザードマップの緊急更新を行うなどの措置が必要になってきます。ハザードマップで、自分の住んでいる場所のリスク場合によっては、仮設住宅の場所のリスクも含めて、リスクをきちんと通知すること。自治体には知らせる努力、住民は知る努力が必要です」
23日に取材させていただいた珠洲市に住む刀祢さんは、「神や仏は珠洲にいないと思った、それほど厳しい状況」だと話していました。
また、山村さんは「住民の皆さんの心が折れなければいいのですが」と、心配していました。
支援の輪を広げて、能登を支えていく必要があります。
いますぐにできる支援として、「Yahoo!ネット募金」などの受付が始まっているほか、石川県も24日から義援金の受付を始めます。
○藤井
能登半島地震は、元日の被災から10か月が経とうとしていましたが、道も少しよくなり、仮設住宅も増えていました。ただ、そのニュースを聞いて、能登への関心や支援の思いが減ってきているようにも感じていました。能登は、立ちあがろうとしている最中で再び被災しました。
どんな形でもいいですから、もう一度被災地に思いを寄せていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(9月23日放送『news zero』より)