能登豪雨に被災者「神も仏もない」 櫻井取材【キキコミ】
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地震からの復旧半ばだった能登半島を今度は豪雨災害が襲いました。
珠洲市の仮設住宅で暮らし、再び被災した女性の思いを櫻井キャスターが取材しました。
今年7月、櫻井キャスターが珠洲市で取材した刀祢春子(とね・はるこ)さん。現在、一人で暮らしている仮設住宅でも床の十数センチ下まで雨水が迫りましたが無事だったといいます。
ただ危険を感じた場面も…
○珠洲市の仮設住宅に暮らす
刀祢春子さん(85)
「(きのう)雨が昼からやみましたので、長靴を履いて(外を)ずっと歩いていきましたら、膝を超えて股のちょっと下まで水がたまってきたんですよ」
○櫻井
「股の下くらいまで水がある状態だったんですか?その中を歩いていたんですか」
○珠洲市の仮設住宅に暮らす
刀祢春子さん(85)
「はい。だから自分で命の危険さを感じましたよ」
さらに。
○珠洲市の仮設住宅に暮らす
刀祢春子さん(85)
「車庫まで見に行ったらすごい土が入っていて」
営んでいた店の倉庫や車庫が高さ50センチほど浸水。中は泥まみれに…
○櫻井
「車庫が泥水につかっているような状態?」
○珠洲市の仮設住宅に暮らす
刀祢春子さん(85)
「もうすごいです。家から出したものとか、親類からもらったタンスも全部水につかってしまって」
きのうから家族総出で、片付けに追われているといいます。
○珠洲市の仮設住宅に暮らす
刀祢春子さん(85)
「珠洲には、神も仏もいないと思います。とてもとても厳しい状態で、立ち上がるか上がれないか、というほどの気持ちに折れてしまいました。特に息子がそうなったと思うので・・・」
特にショックを受けているのが、息子の喜春さんです。
建築関係の仕事をしていて、これからも珠洲に残ることを決め、総額1000万円以上の機械を購入しましたが・・・
○息子・喜春さん(50)
「(地震の後)一からですが、事業を再開しようというふうに思って、機械類・工具を5月ごろに全部いれたんですけど、その機械自体も今回の豪雨災害で水没してしまって」
○櫻井
「いよいよこれからだというところで、この大変な事態になってしまった」
○息子・喜春さん(50)
「そうですね。これだけ災害が続くとも思っていませんし、これからということだったので、余計にショックを受けています」
○櫻井
「自治体や行政にお願いしたいことは何かありますか」
○息子・喜春さん(50)
「離れていった人にも、珠洲に戻りたいと思ってもらえるような、これからの珠洲市を作っていかないといけないと思っているので、早く復興復旧に向けてやっていってほしいなと思っています」
(9月23日放送『news zero』より)