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“茨城のゴールドコースト”今夏の海開きを断念 砂浜消失で…

2024年6月19日 21:21
“茨城のゴールドコースト”今夏の海開きを断念 砂浜消失で…

壮大な景観や絶好のサーフポイントがあることから、“茨城のゴールドコースト”とも呼ばれる海水浴場が、この夏の海開きを断念することを発表しました。去年の夏は約2万5000人が訪れたという人気の海水浴場ですが、断念の理由は「砂浜の消失」でした。

梅雨入り前の青い空。その下に広がる約1キロの砂浜と青い海。その景観の美しさや絶好のサーフポイントが多数あることから、ついた愛称は“茨城のゴールドコースト”。サーファーに人気の海水浴場、茨城県大竹海岸鉾田海水浴場です。

しかし、この夏は…

毎年遊びに来る茨城県民
「海水浴が今年からできないって。中止だって。そういう状況って、どういう状況って…」

昨年の夏は、約2万5000人が訪れたという鉾田海水浴場。“コロナ禍”での「中止」はありましたが、この夏、史上初めて別の理由で開設を断念したのです。

その“理由”は…

毎年遊びに来る茨城県民
「浸食で今年は海水浴はできない。えーうそだ、そんなわけないだろう」

全国的な問題となっている「砂浜の消失」です。

記者
「砂浜の階段のすぐ下のまで、波が近づいてきているのがわかります」

市の担当者の案内で海岸を歩いてみると…

──穴があいているところと、あいてないところがある。これはどういう違いがある?

市の担当者
「例年、砂浜の浸食によって、だんだん浜が下がってきて、このように(穴が)あいているものが出てきた現状です」

以前は、階段の3段目から4段目くらいまでを覆い尽くしていたはずの砂が消失。以前はなかった穴が“むきだし”となり…

──すごい深いです

市の担当者
「小さい子だったら(穴に)ひとり入ってしまうので、危険という判断で中止になった」

さらに、階段の下まで浸食されたことで、階段がデコボコになっていました。


──かなり隙間が広くなっている。先にいたっては崩壊というか

市の担当者
「こちらも浸食の影響。本来ならこの隙間がなく、下まで段差があった」

   ◇

なぜ、「砂浜の流出」が続いているのでしょうか。

海岸を管理する茨城県によると、大竹海岸に面する鹿島灘は、2つの川から流入した土砂が波に乗って一帯に運ばれることで、砂浜が保たれてきました。

しかし、1970年代頃から川から供給される土砂が減少。港などの都市開発が進み、砂が港を越えられないことも一因だと推察しています。

県は、海に流出する砂浜の量を減らすT字形のヘッドランドの整備や、砂の供給を続けるなど対策を続けてきましたが、大竹海岸などで砂浜が失われ続けているということです。

   ◇

まもなく始まる台風シーズン。海岸工学に詳しい専門家は…

海岸工学が専門 茨城大学・横木裕宗教授
「砂浜というのは、災害を抑えるという意味では、波の力を弱める効果がある。大竹海岸を例にすると、そばの家や道路は、大きな波が来ると冠水したり、波が入ってきたりが考えられる」

専門家は、防災の面からも“砂浜流出”は深刻な問題だと指摘しています。