2か国のルーツ「誇り」米代表・國米櫻選手
■ハワイで始めた空手
國米櫻選手は、日本出身の両親のもと、ハワイで生まれました。「日本文化にも触れてほしい」という両親の考えで、7歳から空手を始め、三味線や琴も習っていました。
日本とアメリカ、2つの国のアイデンティティーをもつことの重要性を幼いころから感じていたといいます。
そんな中で、生まれ育ったアメリカ代表を志したのは「自然な選択」だったと語りました。
■「国に帰れ」アメリカで受けた差別的発言
ことし4月、毎日練習で通っていたアメリカ・カリフォルニアの公園で、見知らぬ男性から「負け犬、国に帰れ」などと差別的発言を浴びせられました。
國米選手は、その様子をSNSに投稿。
國米選手
「とてもショックを受けました。しかしSNSに投稿することで、差別を受けているのは、あなただけではないと伝えたかった。私は私です。日本人であると同時に、アメリカ人でもあります。そのことを誇りに思います」
アメリカではアジア系住民を狙った増悪犯罪、いわゆるヘイトクライムの疑いがある事件が相次いでいます。
國米選手は、「私たちはみな同じ人間だということを理解しないといけない。相手の立場に立って相手を思いやるべき」と話しました。
■「日本は特別な場所。やりきれた」
8月5日に日本武道館で行われた、空手女子「形」の試合。國米選手は3位決定戦で敗れ、惜しくもメダル獲得とはなりませんでしたが、試合後のインタビューでは、「とてもいい気分」と話し、笑顔も見られました。
「日本は特別な場所。アメリカ代表としてここ日本に戻ってこられたことが私の力になりました。できることはすべてやった。全力を出し切れた自分を誇りに思います」