空手五輪金・喜友名 史上最多10連覇達成
◇第49回全日本空手道選手権大会個人戦(12日)
日本武道館で行われた空手の全日本選手権に、東京オリンピック空手男子形金メダリストの喜友名諒選手(31)が出場。前人未到の10連覇を達成しました。
喜友名諒選手は予選の1回目で「セーパイ」を演武し、30点満点中26.72点。2回目は「クルルンファ」で26.96点。準決勝は「パイクー」で27.86点と、点数を伸ばしながら順当に勝ち上がります。
迎えた決勝では、自身の流派である劉衛流の形「アーナン」を選択。力強くキレのある突きや蹴り、そして「目だけで相手を倒す」という殺気を込めた鋭い眼力で、圧巻の演武を披露し、28.48点をマーク。自身の持つ最多優勝記録を更新する10連覇を達成しました。
「目標に向かって、一つひとつ集中して取り組んできた結果が、今回の10連覇につながった。目標を持ち続けることの大切さ、感謝の気持ちを忘れずにまた精進していきたい」と、語った喜友名選手。
「歴史をつくる」ことを目標に掲げ、走り続けてきた2021年。8月には空手史上初の五輪金メダルを獲得。11月に出場した世界選手権では、男子個人形史上初となる4連覇を達成し、今回全日本選手権を10連覇。言葉通り、あるいはそれ以上の活躍を見せた喜友名選手は「一つ目標だった五輪の金メダルを獲得し、世界選手権も優勝することができ、そして全日本選手権。少しは自分の名前も歴史に刻むことができたと思います」と、これまでの道のりを振り返りました。
「伸びしろはたくさんある。先生から常に進化していけと言われ、稽古をしてきて、上がっている感じしかしない。さらに空手を研究して、どういう空手になっていくのか、自分自身でも楽しみにしています」と、語る喜友名選手。王者のつくる歴史は、まだまだ続きます。