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噴火相次ぐ小笠原諸島“新しい島”確認も

2021年8月19日 20:00
噴火相次ぐ小笠原諸島“新しい島”確認も

貴重な生態系から“東洋のガラパゴス”と呼ばれる小笠原諸島で、いま噴火が相次いでいます。硫黄島の近海で海底火山が噴火し、直径およそ1キロの新しい島が確認されたほか、西之島でも新たな噴火が見つかりました。

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東京都心からおよそ1000キロの小笠原諸島・西之島で、今月14日、およそ1年ぶりの噴火が、確認されました。この前日にも、同じ火山帯にある海底火山で大規模な噴火が起こっていました。

その場所は西之島から南に300キロ、東京都心からはおよそ1300キロに位置する「福徳岡ノ場」です。

大規模な噴火が起きてから2日後に撮影された映像では、海上から黒い噴煙が勢いよく噴き上がっています。現場を調査した専門家は─。

東京工業大学火山流体研究センター・野上健治教授
「報告されている噴煙高度が16キロ以上と言われています。噴火の規模としては非常に大きかったと言える」

国内では、100年ぶりの規模という噴火は気象衛星「ひまわり」も記録しました。福徳岡ノ場から噴煙が観測されると、その噴煙は徐々に西へと流れていき、なんとフィリピンにまで届いていたのです。

そして、この噴火で、カッコ型にわかれた直径1キロほどの新島が誕生しました。この場所では、過去にも一時的に新島が形成されてきましたが、波などで流され消えてしまっているのです。ただ今回は─。

東京工業大学火山流体研究センター・野上健治教授
「新しい島になる可能性は否定できない。今回噴火はあれだけの規模でやって(噴火して)いますから」

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一方、新たな島として定着した西之島では、ここ数年で、大規模な変化が起きていました。

2016年、海上保安庁が調査した際には、緑の草が生い茂り、植物や海鳥などが確認されていました。しかし、2019年から2020年にかけての大規模な噴火で、島全体が溶岩や火山灰に覆われ、それまでに根付いた環境が一度リセットされてしまうことになりました。

こうした状態はきわめて珍しく、人為的影響が少ない状況で、生態系はどんな変化をするのでしょうか。先月、2年ぶりに行われた環境省の調査では、多くの海鳥の姿がありました。今回の調査で5種類の海鳥の繁殖が確認されたということです。

調査に同行した森林総合研究所・川上和人さん
「海鳥はいち早く西之島に戻ってきて、環境変化をものともせず、(海鳥が)繁殖を始めているということが確認できました」

さらに海底調査では、およそ80種類以上の生物が確認され、なかには新種の可能性があるコケムシも確認されたということです。

調査に同行した森林総合研究所・川上和人さん
「どうやって生物がここに入ってきて新しい生態系ができあがるのか、長期間のモニタリングをしていくことが重要だと考える」

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環境省は今後も調査を続け、生態系の変化など分析していくということです。