抜け毛、記憶障害も…長引く後遺症に不安
新型コロナウイルスに感染し、後遺症で苦しむ人が後を絶ちません。都内の後遺症外来によると、第5波で患者は急増。抜け毛や記憶障害など症状は深刻で、1年半以上通う人も。取材した40代の男性は、「まだ何か出てくるのでは」と不安を感じています。
■8か月たっても…26歳男性の悩み
7日、新型コロナウイルス後遺症外来がある都内の「ヒラハタクリニック」を、今年1月に発症した26歳の男性が訪れていました。
男性は「なんか、動きたくない。無気力みたいな。なんかちょっと、すごい疲れているみたいな。結構、抜け毛がすごくて」と相談しました。8か月近くたっても、さまざまな症状に悩んでいます。
■「いつまで…」睡眠障害で退職も
去年12月に発症した43歳の女性は、睡眠障害などがあり、今年4月には退職に至りました。
平畑光一院長が「結果的に(会社を)辞めることになっちゃったんですね」と言うと、女性は「そうです。『いつまでかかるか、めどが立たないでしょ』って言われて」と答えました。
後遺症は、生活全てに大きな影響を与えます。
女性
「本当に前の、元通りの状態って来るんですか?」
平畑院長
「今の医学だけで、完璧に元に戻すっていうのは正直、けっこう厳しいかもしれないです」
■第5波で患者増「手に負えない数」
平畑院長によると、第5波の影響で、後遺症の患者は増えているといいます。取材に対し、「前は(1日)50人くらいだったのが、今は150人くらい来ている状況ですので、とんでもない数になってしまった。とても手に負えない数になってきているのが実感です」と話しました。
1年半以上通い続けている人も多くいるといいます。
平畑院長
「軽症だから後遺症が軽いということは一切ないですね。その後の後遺症が重症で、本当に苦しんでいる人がたくさんいらっしゃいます」
■「道分からなくなったら…」募る不安
約2か月前にコロナ陽性が判明し、今も頭痛や嗅覚障害などに悩まされているという43歳の男性に話を聞きました。
「脂が腐ったような気持ち悪い臭いが、ずっとこの(顔の)辺りに漂っています。久々に出社した時に、会社の最寄り駅が分からなかったんです。数日前、郵便物を出さなきゃいけなくて、外に出たら、ポストの場所が分からなくて」
記憶障害もあり、今後について不安が募ります。
「自宅の最寄り駅が分からないとか、駅に着いてからの道のりが分からないってなったらどうしよう、っていう怖さがあります」
佐藤梨那アナウンサー
「コロナの後遺症は恐ろしいものですよね」
男性
「この1か月くらい、急に倦怠感が襲ってくるようになって、後から追ってくるような後遺症もあるんだなという恐怖心。この後、まだ何か出てくるんじゃないかというような部分も恐れています」
(9月7日『news zero』より)