昭和生まれ・ロングセラーのお菓子に注目
昭和の時代に誕生し、長年愛され続けるお菓子が、いま若い世代にも注目されています。伝統にとらわれずに生み出した新たな味や、若者の心を引きつけるグッズなど、ブームのワケを取材しました。
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敬老の日の9月20日、都内のスーパーにはお菓子を選ぶお年寄りの姿がありました。手にしていたのは、昔から愛される“定番の味”です。
買い物客(77)
「懐かしいというか、小さい時、食べたな、こんなのと思ってね」
実はいま、こうした昭和生まれのロングセラーが、若い世代にも注目されています。
その1つが、東京・池袋に超高層ビル「サンシャイン60」が開業し、「インベーダーゲーム」に誰もが熱くなった1978年、うま年に誕生した「たべっ子どうぶつ」です。
発売当初から変わらないピンクの箱に、動物の形をしたバター風味のビスケット。英語の勉強にもなる優れものです。
その「たべっ子どうぶつ」が2年ほど前から、お菓子の世界を飛び出し、グッズ化され、人気となっているのです。
ギンビス・マーケティング部 石川麻樹さん
「どうしても『子供が食べるお菓子』というイメージがありますので、10~20代の若者世代にお菓子を買ってもらえなかったというのが大きな課題でした」
そこで、若者に商品を買ってもらうきっかけ作りとして、さまざまな企業とコラボし、グッズを生み出しています。
30代
「自分の幼少期に見たままだと、ついつい懐かしい物は買ってしまうので」
20代
「お菓子売り場に行ったら、また買っちゃいそうというか」
若い世代の購入も増えているといいます。
ギンビス・マーケティング部 石川麻樹さん
「(お菓子は)大事に育てていきたいと思っているので、奇抜な味は現状考えていないです」
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その一方で、若者に狙いを定めた味を投入するロングセラーもあります。
日清シスコ・ブランドマネジャー 石田晃三さん
「ちょうど発売中の焼き芋味」
人類が初めて宇宙遊泳し、海外アーティストの来日公演をきっかけにエレキギターブームに火がついた1965年に産声をあげた「ココナッツサブレ」です。
当時は珍しかったという甘いココナツ風味が特徴、56年間愛され続けるロングセラーです。
今年から、一昔前の文化を現代流に楽しむ“ニューレトロ”をテーマにした味を販売しています。
日清シスコ・ブランドマネジャー 石田晃三さん
「昭和の古くさいというか、懐かしいというところが、逆に新しいと感じるところがトレンドとしてあるなと」
また、昔からある定番の味もパッケージを一新。SNSなどで若者に人気のイラストレーターを起用した、期間限定パッケージを発売。
味とパッケージの両面から若い世代にアピールし、売り上げも好調だということです。
日清シスコ・ブランドマネジャー 石田晃三さん
「食べていただいて、よくパッケージを見たら『ココナッツサブレ』だと気づいていただければ成功かなと考えています」