昭和だけじゃない デコって「平成レトロ」
昔懐かしい雰囲気で「昭和レトロ」が味わえる場所。いま若い世代にも注目される新たなスポットが続々と登場しています。
1歩足を踏み入れれば――
レンガ調の壁に、年季の入った家具が、どこか懐かしさを感じさせてくれる空間。去年7月、都内にオープンした喫茶店です。名物は、見た目鮮やかなクリームソーダ。この雰囲気とメニューが相まって、昭和レトロ気分が味わえると人気となっています。
運営するwackwack creative・福山俊大取締役
「喫茶店ってちょっと背伸びするようなところでもあったと思いますし、そういう場を作りたいと」
40年ほど営業していたという喫茶店だった場所を、あえて当時の趣を活かしたまま店作りをしたそうです。
すると、意外なことに。
お客さん(20)
「新鮮だよね。クラシックな所に触れる機会が最近ないので、大人っぽいなと」
客の約6割が“平成生まれ”の若い世代になったということです。
◇◇◇
昭和レトロといえば、今年5月にリニューアルオープンした、園内に昭和の街並みが広がる「西武園ゆうえんち」。
最近では、来園者も昭和レトロの装いです。
来園者(20代)
「私が古着が好きなので、これに合った場所に行きたくて。昭和の色合いがすごく好きなので、今日も黄色をメインで服装を組もうと思って」
遊園地の世界観に合うコーディネートで楽しむ人が増えていました。
◇◇◇
若い世代に広がる昭和レトロブーム。
渋谷にある東急ハンズの一角で見つけたのは、昔懐かしのラジカセ専門店。中古品がメンテナンスされた状態で販売されています。なかには、半世紀ほど前に製造された物も。
なぜ今、「ラジカセ」なのでしょうか?
DESIGN UNDERGROUND・松崎順一さん
「ラジカセ・カセットテープを知らない世代の方も多くて、衝撃を受けて実際に音を聴いてみたいというお客様が増えているんですね」
魅力の一つが、アナログならではの温かみのある音質ということです。
◇◇◇
そして、注目されているのは昭和だけではありません。
オンラインショップで売られているのは、クリスタルをあしらったスマホケースなど、派手に装飾したアイテムばかり。実は、平成の時代に生まれたものです。
ASUTOREIA・松木愛代表
「平成の女子高校生を中心に(はやった)。キャラクターのパーツとか、何でも盛り盛りにデコってそれがかわいい感じ」
約20年前。平成まっただなかにギャルを中心に流行した“デコ文化”が「平成レトロ」として再び注目されているのです。コロナ禍ではマスクをデコってみたところ、幅広い世代から反響があったということです。