生理痛とワクチンの副反応 薬使用の注意点
新型コロナウイルスワクチンの接種が進んでいますが、もし、生理中にワクチンの接種スケジュールが重なってしまった場合、少し注意が必要です。日本大学医学部 病態病理学系微生物学分野・相澤志保子准教授に聞きました。
生理中に新型コロナのワクチンを接種しても問題はなく、現在のところワクチンそのものが生理の周期や排卵などに影響することはないと考えられています。ただし、ワクチンの副反応の発熱や接種へのストレスなどによって、月経周期がずれたり、月経量が変化することがあるかもしれないということです。
■生理痛の痛み止めと副反応の解熱鎮痛剤は同じような成分
生理痛で痛み止めの薬を飲んでいる人は、少し注意が必要です。生理痛の痛み止めと、ワクチンの副反応に対して有効な解熱鎮痛剤は同じような成分の薬です。したがって、生理中にワクチンを接種した場合、生理痛の痛み止めに加えて解熱鎮痛剤を飲んでしまうと、決められた服用量の倍の量を飲んでしまうことになるかもしれません。
薬の箱や添付文書には使用量などが書かれているので、決められた用量を守って下さい。薬について不明な点がある場合には、主治医や薬剤師に相談してください。
※厚生労働省は、ワクチン接種後に発熱や痛みが出た人が使うことができる解熱鎮痛薬の成分を公表。推奨する薬として、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンを挙げています。一方で、他の薬を内服したり、治療中の場合などは、主治医や薬剤師に相談してくださいとしています。
相澤志保子准教授:2002年日本大学医学部卒業、日本大学医学部 病態病理学系微生物学分野助手・助教を経て2014年より現職。専門は生殖免疫学、感染免疫学