【臨時情報】吾妻山 火山性微動発生で火山活動高まる、噴火警戒レベル引き上げの可能性 気象庁
福島県と山形県にまたがる吾妻山で、地下の火山ガスや熱水などの動きを示す「火山性微動」が観測されました。気象庁は吾妻山の噴火警戒レベルを今後、1から2に引き上げる可能性があるとして、今後の火山活動の推移に注意するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、吾妻山では、ことし2月ごろから大穴火口付近が震源と推定される低周波地震の発生頻度が、やや上がり、先月12日からは、さらに上がっていたということです。
この低周波地震に加え、11日午後2時19分ごろには、地下の火山ガスや熱水などの動きを示す「火山性微動」が観測されました。吾妻山で火山性微動が観測されたのは、2022年8月以来です。
一方、火山性地震の増加はなく、火口周辺の噴気の状況、地熱域に特段の変化は認められていないということです。
気象庁は今後、より規模の大きい火山性微動が発生するなど、火山活動がさらに高まった場合には、5段階の噴火警戒レベルを一番下のレベル1の「活火山であることに留意」から、レベル2「火口周辺規制」に引き上げる可能性があるとして、今後の火山活動に注意してほしいと呼びかけています。
また、火口周辺では火山ガスが噴出し、熱活動も継続していることから、火山灰や高温の土砂、熱水などが突発的に噴出する可能性があるとして、自治体の指示に従って、危険なエリアには立ち入らないようにしてほしいということです。
吾妻山は気象庁が24時間体制で観測・監視している、全国に50ある常時観測火山のひとつです。気象庁によりますと、1977年に水蒸気噴火が発生し、活発な噴気活動は1979年まで続いたということです。