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横田めぐみさん きょう57歳に

2021年10月5日 23:11
横田めぐみさん きょう57歳に

北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんが5日、57歳の誕生日を迎えました。母の早紀江さん(85)は、「喜んで誕生日を祝える日はいつ来るのか」と、40年以上も会うことができない苦しみを語りました。

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「もうね、お誕生日と聞くとつらくなるんですね」

拉致被害者・横田めぐみさんの誕生日に先立って行われた会見の冒頭、母の早紀江さんはこのように述べました。めぐみさんは44年前、13歳の時に北朝鮮に拉致され、帰国がかなわないまま迎えた57歳の誕生日。

「どうしてこんなに長い時間かかってるんだろうっていうことがいつも頭の中にある。(めぐみさんを)取り戻してお誕生日をお祝いしてあげられる日が来るんだろうかって、そういう思いが重くのしかかっていて」

陰鬱な日々が続いているという早紀江さん。ほんの少しだけその表情が和らいだのは、めぐみさんが子どもの頃の誕生日の話をしている時でした。

「すごいにぎやかな子だったんですよ。お菓子を食べたりケーキを食べたり、みんなで笑い合っていた姿を思い出しますね。早く喜んで『どんなに待ったのかわからないのよ』って、『おいしいケーキ食べよう』って、そんな日が来るのを楽しみにしているんです」

44年もの間、娘を待ち続け、戦い続けている早紀江さんは今、85歳。去年6月には夫・滋さんを亡くしました。自身について「悲惨な状況をなんとか頑張っている。いつ倒れてもおかしくない」と述べ、残された時間が長くない事を訴えました。


■弟・拓也さん「姉の姿想像もできない」

また、この日、めぐみさんの誕生日に合わせて集会も開かれ、拉致被害者の曽我ひとみさん(62)と、めぐみさんの弟の拓也さん(53)も参加しました。

拉致された後、平壌市内の招待所で数か月間、めぐみさんと共同生活を送った曽我さん。「めぐみさんを家族のもとに、母(ミヨシさん)を私のもとに返してください」と切々と訴えかけました。

そして、めぐみさんの弟・拓也さんは「57歳の姉がどんな姿か想像もできない」と述べ、岸田新内閣に対し、「日朝首脳会談を開いて、被害者全員を取り戻す覚悟で臨んでほしい」と呼びかけました。

来月15日は、めぐみさんが拉致された日。家族にとって最もつらい日が、今年もまた巡ってこようとしています。