ナゼ?新たな島「福徳岡ノ場」徐々に小さく
海底噴火により、小笠原諸島に新たにできた島、「福徳岡ノ場」の様子をカメラが捉えました。発見から約2か月がたちましたが、実は、当初の面積の3分の1程にまで小さくなっています。島に何が起きているのでしょうか?
7日、日本テレビのカメラが捉えたのは、小笠原諸島に浮かぶ、「福徳岡ノ場」と呼ばれる小さな島。場所は、東京都心から南に約1300キロ。今年8月、海底火山で大規模な噴火が発生し形成された新しい島です。
あれから約2か月、島に“異変”が起きていました。
志水淳平カメラマン
「2つあった岩肌が、現在1つしか見えません」
島の一部が消えてしまっていたのです。誕生した当初、「( )かっこ型」だった福徳岡ノ場。
9月には、右側の陸地部分がほぼ消失し、最新の画像では左側部分の面積も縮小。8月に比べ約3分の1の大きさになっています。徐々に小さくなる島に何が起きているのでしょうか?
東京工業大学 火山流体研究センター・野上健治教授
「波だけではなく、雨とか風とか。削れてなくなって、かなり小さくなっていることは事実」
波などによって島が削られている可能性を指摘しました。
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気象庁は島から噴出した石を採取。その実物を見せてもらうことができました。特別に触らせてもらうと、すごく軽くザラザラしていて、とても崩れやすそう。重そうに見えますが、実際は5キロほどの“軽石”です。
気象庁 地震火山部火山監視課 火山活動評価解析官・中村政道さん
「こちらは噴火で上に飛ばされて、流されたものになりますので、かなりもろい」
非常にもろく、少し触れただけでも崩れてしまうため、波などによって浸食されてしまうといいます。
最近、新たにできた島といえば、福徳岡ノ場から約300キロの西之島がありますが、西之島の場合、噴火を繰り返し、流れ出た溶岩が固まったため“波にも耐えられる”作りに。
一方、福徳岡ノ場は、溶岩よりも崩れやすい“軽石”などが多いため、島がさらに削られる可能性もあるといいます。
東京工業大学 火山流体研究センター・野上健治教授
「小さくなることは否定できないと思いますけど、きれいさっぱりなくなるということは、個人的にはないと思う」
福徳岡ノ場は定着するのか、それとも消えてしまうのか…。今後の火山活動に注目です。