抗体カクテル療法 初の“予防薬”でも了承
新型コロナウイルスの軽症患者の治療に使われている「抗体カクテル療法」について、厚生労働省の審議会は、無症状の人などを対象に、初めての「発症予防薬」としても使うことを了承しました。
審議会で、特例承認することが了承されたのは、抗体カクテル療法に使用される中外製薬の「ロナプリーブ」です。
今年7月には、重症化リスクのある軽症や中等症の患者の「治療薬」として特例承認されましたが、新たに「発症の予防」を目的に加え、投与の対象が広がります。
新たな対象は、感染した患者と一緒に暮らす家族などの濃厚接触者で感染していない人や、検査で陽性となった無症状の人で、原則として、重症化リスクがあり、かつ、ワクチン接種をしていないか、接種していても、がんの治療などで免疫が不十分と考えられる場合に限られます。
中外製薬によりますと、臨床試験では、家庭内の濃厚接触者で発症するリスクが81パーセント減り、検査では陽性で無症状の人で、発症するリスクが31パーセント減少したということです。
また、抗体カクテル療法は、点滴の形ですが、皮下注射も了承されました。
初の発症予防薬となりますが、厚労省は、予防の基本はワクチンであり、抗体カクテル療法がワクチンに置き換わるものではないとしています。
早ければ、5日にも厚生労働大臣が正式に承認する見通しです。