【解説】人気の観光地、ギリシャ・サントリーニ島で1000回超の地震 火山の島で何が
2月3日から2月9日までの期間、国内では震度1以上の地震が27回あり、このうち震度3以上は2回でした。
▼4日午前4時15分ごろ
鹿児島県十島村で震度3の地震がありました。震源は奄美大島北東沖、地震の規模を示すマグニチュードは5.2、震源の深さは83キロでした。
▼9日午前10時59分ごろ
岐阜県中津川市で震度3の地震がありました。震源は長野県南部、マグニチュードは3.5、震源の深さは10キロでした。(速報値)
エーゲ海に浮かぶ有名の観光地・ギリシャのサントリーニ島、急しゅんな崖の上に白壁の家が密集して建っている様子は有名で日本人にも人気があります。
この島では1月下旬から地震が相次いでいて、島から多くの人が避難する事態となっています。これまでのところ、人的被害は出ていませんが、海岸付近では地滑りや山崩れが発生していて、2月に入ってギリシャ政府が非常事態宣言を出しています。
エーゲ海周辺の地震活動を示した図です。サントリーニ島及びその北東にあるアモルゴス島の間の海域では、今年に入って地震が非常に多く発生しています。1月下旬にこの地震活動が始まってから、すでに1000回以上の地震がおきています。最大規模の地震は現地時間の5日と9日におきたマグニチュード5.2の地震でそれ以外にもマグニチュード4クラスのものがかなり多く発生しています。
南側からアフリカプレート、北側にはユーラシアプレート、その間のエーゲ海プレートの上にのっているような場所にあります。プレート境界に近いこともあって、比較的地震が多い場所にもなります。
ギリシャ政府が5日におこなった会見では、住民らに冷静さを保つよう呼びかけていますが、震源周辺地域では地震による揺れが今後一定期間続く可能性があるとしています。
三日月のような形のサントリーニ島ですが、カルデラ噴火と呼ばれ過去に大きな火山噴火がおきた跡です。紀元前1628年頃に海底火山の爆発的噴火がおきて、破局的な津波をひきおこしたとみられていています。
現在の島の形は当時の火口の東側が残ったものと考えられています。現地の気象当局は現時点では火山噴火などとの関連については否定しています。
過去に大きな噴火をおこしたエリアでもあり、地震活動と火山活動と密接に関連していることもあるため、引き続き注意が必要です。