1日2回「育児休憩」議会中に授乳も可能に
人口およそ1万4000人が暮らす群馬県榛東村。12月1日、榛東村議会は、議会中であっても“育児時間”を可能とする改正案を可決しました。全国でもめずらしいという、この改正案。提出したのは、子育て中の議員でした。
■1歳未満の子育てに「育児時間」
榛東(しんとう)村議会によりますと、全会一致で可決された改正案は、1歳未満の子どもを育てる議員が、「育児時間」としての休憩を請求できるものです。
例えば議会中でも議員が子育てをする時間を議長に求めて認められた場合、議会が中断され休憩に入り、授乳やおむつ替えなどができることになります。
内容や休憩時間は労働基準法を参考にし、請求できる議員の性別は問わないといいます。1日2回、それぞれ最低30分の育児時間をとることができ、休む形ではなく、働きながら育児ができるようになります。
■“2児の母”南千晴議員「家に帰って授乳やおむつ替え」
議案を提出したのは、議会運営委員会の委員長、南千晴さんです。現在、生後4か月の子どもの育児をしながら議会に出席しています。なぜ、“育児時間”という規則の改正案を提出したのでしょうか?
南千晴議員「議会復帰後の授乳などの子育てと議会をどう両立していくかが課題でした。両立するための環境を整えることが必要だと思っていました」
これまでは、本会議では議長を務めていた南議員。授乳をしたくてもタイミングが合わなかったり、搾乳する時間がうまくとれず間隔があいてしまい、乳腺炎になったこともあるといいます。今回新たに改正された「育児時間」については。
南議員「会議を欠席や離席をするのではなく、1歳未満の赤ちゃんを育てている議員も、職責を果たすため、授乳などの育児をしながら、議会の審議に参加できるようになります」
本会議以外の委員会などでも「育児時間」の休憩を利用し、家と議会の往復をして授乳しているといいます。
南議員「授乳の時間を確保できたことで、子どもの心配をせずに審議に集中できています。大事な時間を確保できるので安心です」
村議会で可決された「育児時間」。全国町村議会議長会は、「育児のための休憩はめずらしく、聞いたことがない」と話しています。
写真:2児の母親である南千晴議員