九州に帰れない…台風6号で羽田空港に“足止め” 台風7号に備えて…スーパーに“まとめ買い客”の姿
九州を直撃している台風6号の影響で、東京・羽田空港には旅行先から九州の自宅に帰れなくなった家族らの姿も…。来週には台風7号が関東に接近する可能性もあります。台風に備えて、埼玉のスーパーでは食料品などをまとめ買いする人たちもいました。
◇
9日、東京の“空の玄関口”羽田空港を取材しました。宮崎から遊びに来た4人家族はディズニーリゾートを満喫。楽しい思い出を胸にあとは宮崎へ帰るだけだったといいます。
宮崎へ帰る予定の家族
「ホテルを朝5時半に出て6時すぎに(空港に)つきました」
「きのうの最終便で宮崎に帰る予定だったけど、飛ばないということで。きのうの段階で、鹿児島の便で朝帰る予定だったけどそれも欠航ということで」
鹿児島ルートで宮崎へと帰る予定でしたが、その鹿児島行きの便までもが欠航し、かれこれ空港で4時間近く足止め状態となっていたのです。
宮崎へ帰る予定の家族
「こんなに宮崎が恋しいとは思わなかった。とにかく九州にどっかたどり着きたいというのが本音」
しかし同じ頃、その恋しい故郷・宮崎では、迷走を続けてきた「台風6号」が直撃中でした。激しい雨がほぼ真横からたたきつけるように降っていて、川もかなり増水し濁流となっていました。
宮崎市では、田んぼと思われるところが大雨により水につかり、車を運転するのが危険なほど道路が冠水してしまった場所もありました。
宮崎・美郷町神門では24時間雨量が391.5ミリ、西米良では302.5ミリと、県内各地で24時間に300ミリを超える大雨に見舞われ、川はみるみるうちに増水。延岡市では川からあふれた水が神社の中にまで押し寄せました。
◇
8日夜から台風6号の暴風域に入っている鹿児島でも、9日朝は駅前で立っているのもやっとなほどの暴風が吹いていました。
列車も軒並み運休となり、午前中には種子島・屋久島地方で「線状降水帯」も発生しました。
「台風6号」はその後、ゆっくりとした速度で九州の西を北上。羽田空港で足止めされた家族は正午すぎに出発予定の「熊本行きの便」に“最後の望み”をかけていましたが、出発時間の直前で欠航が決定。カウンターに人が殺到する事態となりました。
宮崎へ帰る予定の家族
「(九州行きの便は)今聞いたら13日の日曜日しかもう空いていないということで、それも熊本(行き)。新幹線とか今調べているけど、どこも厳しいみたいで、もう東京に住みますね…」
しかし、もし熊本行きの便に乗れていたとしても結局は――
熊本に帰省予定だった夫婦
「(午前)8時10分の便で出て、熊本上空で3回降りられずに(羽田空港に)戻ってきました。強風でダメ、もう1回上がって、降りようとしてダメと」
こちらの家族は妻の実家がある熊本に帰省予定でしたが、強風の影響で飛行機が着陸できず羽田に引き返してきたのです。
熊本に帰省予定だった夫婦
「(熊本の空港で)甥っ子が待っていたんで、サプライズでお迎えにきてくれたんですけど、引き返しが決まって号泣だったとさっき電話で話を聞きました」
◇
久しぶりの再会に“水をさした”台風6号。お盆休みを利用して大阪に帰省する家族は“もうひとつ別の台風”の心配をしていました。
大阪へ帰省する家族
「(帰りは)火曜日(15日)か水曜日(16日)くらい、来週の。ちょっと“新しい台風”も来ているので、状況によっては(滞在日数を)延ばすかもしれない」
“ダブル台風”の1つ。8日発生した「台風7号」です。予報円が大きくまだどこへ向かうかはわかりませんが、お盆休み中の13日以降、太平洋側に大雨などの影響を及ぼす可能性があるのです。
大阪へ帰省する家族が警戒しているように関西方面に向かう可能性もあれば、9日に断続的に雨が降り続いた関東に「台風7号」が向かってくる可能性もあるのです。
◇
そして、9日のこの雨で台風への警戒心が少し高まったためでしょうか。埼玉県にあるスーパーでは、食料品などをまとめて購入する人がいました。飲み物を段ボールで何箱も買う人もいれば、商品の上にさらに商品を載せて、カゴいっぱいの状態でレジに向かう人もいました。
この店のウリ、商品の値段の安さももちろんありますが――
買い物客
「(台風6号で)コンビニでなくなる状態も起きているし、スーパーとかで品薄もテレビで見ているので、自分たちであらかじめ備えておこうかなと」
買い物客に撮影してもらった自宅の写真には、お盆期間中の台風7号の直撃を心配し、買い足したペットボトル飲料の箱が何箱も写っていました。
買い物客
「(冷凍庫の中身は)ジャガイモ、キャベツ、ピーマン。台風とかもあって、野菜とかもストックしておくことによって困らない」
野菜などの食料品を冷凍して、備えているということです。
そして、このスーパーがある越谷市でも9日午後、突如、激しい雨に見舞われました。
離れた場所にも影響を及ぼす“ダブル台風”。今後の動きに注意が必要です。