ネット通販「¥」で購入したら請求“20 倍”に――なぜ? 日本「円」と中国「元」は同じ通貨記号 見極めるポイントは?
日本円だと思って通販サイトで購入したら、請求時に20倍になっていたケースがあり、国民生活センターが注意喚起しています。背景には、日本の円と中国の人民元で、同じ「¥」を使っていることがあります。その由来や注意すべきポイントを考えます。
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■ガイドブックが20倍の値段に?
有働由美子キャスター
「あるネット通販サイトで、ガイドブックが『¥1680』でいいな、買おうと思ってポチッとしたら、3万 2916円の請求が来たといいます。国民生活センターが注意喚起しましたが、どういうことでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「この¥のマーク、日本円かと思いきや、中国の人民元だといいます。今のレートでは人民元は日本円の約20倍なので、3万3000円ほどになってしまったということです」
■値段の横に小さく...人民元の「CNY」
有働キャスター
「パッと見たら『円』ですよね」
小栗委員
「そうですよね。実際、サイトの中でも本当に分かりにくくなっています」
「国民生活センターによると、商品をカートに入れた後、住所などを入力する画面にある上のタブの部分を押して、そこで初めて出てくる画面にようやく、値段の横に小さく『CNY』と出てきます。これがチャイニーズユエン、中国の人民元だと表しています」
有働キャスター
「(タブの部分もなかなか)調べませんし、全部日本語で書いてあった上にこれほど小さければ、ちょっと見つけられないと思います」
■日本円も中国の人民元も同じ語源
小栗委員
「そうですよね。日本の円と中国の人民元を表記するマークは同じです」
「実際、中国のサイトを見てみると、北京ダックが『¥239』とあります。ただこれも239円ではなく239元。日本時間20日午後10時時点で1元=19.5円前後ですので、日本円に換算すると約4660円です」
「なぜ同じマークなのかというと、日本の円も中国の元も、語源は『まるいこと』を表す『圓(えん)で、それぞれの国の発音で日本円は『YEN』、人民元は『YUAN』と表記されます。頭文字の Y を取って同じ通貨記号になったといいます」
■業者と連絡取れず...返金困難か
「全国の消費者センターなどには、日本円だと思って購入してしまったという相談が100件程度寄せられているといいます」
有働キャスター
「勘違いだったと分かった後、お金は戻ってくるのでしょうか?」
小栗委員
「円だと間違って認識して買ったということであれば、本来は契約を取り消すことはできますが、今回は国民生活センターでも(通販サイトの)この業者とは連絡が取れなくなっていて、返金は難しいかもしれないということです」
■電話番号なし、E メールのみには注意
「ではどう気をつければいいかというと、消費者庁では、会社概要の住所で番地まで書かれていなかったり、連絡先に電話番号がなくEメールだけが書かれている場合は、注意が必要だとしています」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「中国に駐在していた友人が、1000元で見積もりを取っていたのを日本の企業側が1000円と勘違いしてトラブルになりかけたと言っていました」
「今回の通販サイトは日本語なので、円と勘違いしてもおかしくなく、極めて悪質だなと思います。改めて、事業者の住所や電話番号をきちんと確認しないといけないなと思いました」
有働キャスター
「こういったトラブルに遭って業者との連絡もつかない場合、どうすればいいのでしょうか。国民生活センターでは、クレジットカード会社に相談するか、電話で消費者ホットライン『188(いやや!)』に相談することを勧めています」
「そして、日本の円と中国の元は同じ記号というのも覚えておきたいです」
(4月20日『news zero』より)