【解説】新型コロナとインフル同時流行? 新たな変異株「JN.1」とは 被災地でも患者数増…対策は?【#みんなのギモン】
●変異株JN.1 感染力強い?
●いつまで続く? 対策は
新型コロナウイルスとインフルエンザの患者数が、どちらも増加しています。
厚生労働省によると、1月21日までの1週間に、全国の定点医療機関から報告された「インフルエンザ」の感染者数は、1医療機関あたり17.72人と、前の週の1.36倍となりました。インフルエンザによる学級閉鎖も2205施設と、かなり多くなっています。
一方で、「新型コロナウイルス」の感染者数も、1医療機関あたり12.23人と、前の週の約1.36倍となりました。新型コロナは9週連続で増えていて、1医療機関あたり10人を超えるのは、去年9月以来となります。
新型コロナウイルスについては、新たな変異株「JN.1」が拡大しています。
まず、「JN.1」とは、どのような変異株なのでしょうか。
「JN.1」は、オミクロン株から派生した新しい変異株で、現在、世界的に急速に拡大していて、WHO=世界保健機関は先月、「注目すべき変異株」に指定しています。
日本でも、国立感染症研究所によると、「JN.1」の割合が先月から急激に増え始め、1月1日からの第1週では、検体のうち「JN.1」が19.6%検出され、最も多くなっています。推定では、今週にも40%を超えるのではないかとみられています。
厚生労働省は、「JN.1」の感染割合が高くなっているとして、「今後も注意が必要だ」としています。
この変異株「JN.1」は、感染力や症状など、何か特に注意した方がよい特徴はあるのでしょうか。感染症・呼吸器疾患が専門の加藤哲朗医師に聞きました。
加藤医師によると、JN.1による感染では、これまでと違う何か特別な症状があるわけではないということです。これまでと同様に、「発熱・せき・のどの痛み」などの症状があります。
一方で、ウイルスの構造が変異していることによって、感染力は強くなっているといい、免疫回避能力が、以前より上がっているということです。
また、以前に新型コロナの別の株に感染した人でも、再びかかる可能性があるということで、感染が拡大する要因の1つではあると話していました。
そして、いま心配なのが、被災地での感染状況です。
能登半島地震の被災地、石川県では新型コロナの患者数が1医療機関あたり14.33人、インフルエンザは13.44人と、いずれも前の週より増加しています。
厚生労働省は、新型コロナ、インフルエンザともに注意が必要な状況だとしていいます。
そして、2月1日から、避難所となっている金沢市・いしかわ総合スポーツセンターで、65歳以上の避難者を対象に、無料でインフルエンザのワクチン接種を実施する準備を進めているということです。
続いて、感染対策について。
加藤医師によると、インフルエンザも新型コロナウイルスも、手洗い・消毒などの基本的な感染対策が重要になります。そして、換気も大切です。冬は寒いので、換気をする機会も減ってしまうかもしれませんが、換気を意識的に増やしてみるとよいかもしれません。
さらに、ワクチンについて。
新型コロナに関しては、9月以降に接種が始まった、XBB系統の変異株に対応したワクチンというのが、JN.1による入院や死亡といった重症化の予防に有効だったという研究もあるといいます。
重症化予防の対策のひとつとして、ワクチン接種も選択肢に入れてみては、ということです。
新型コロナのワクチンは、3月までは「特例臨時接種」として無料で接種が可能です。ただ、4月からは、インフルエンザと同じ「定期接種」となります。これは、全国の65歳以上の高齢者などが対象で、有料となります。
費用については、政府が一部補助を行い、自己負担は7000円となります。ただ、自治体が独自に費用を補助する場合もありますので、7000円より低額で接種を受けられる場合もあるということです。
そして、定期接種の対象でない人たちについては、任意での接種も可能なのですが、原則で全額自己負担となります。
新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行は、いつまで続くのか。加藤医師によると、新型コロナに関しては、まだまだ続きそうだということです。
インフルエンザについては、A型はピークが過ぎてきていると加藤医師は感じるそうです。けれども、東京より暖かい沖縄では、すでにインフルエンザB型の流行がみられるので、これから首都圏でもインフルエンザB型の流行が増えていくのではないか、まだまだ注意・警戒が必要だということです。
新型コロナもインフルエンザも、手洗いなど、基本的な感染対策が重要です。できる限りの予防を、みんなでしていきましょう。
(2024年1月31日午後4時半ごろ放送 news every. 「#みんなのギモン」より)
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