住民たちの“希望の桜” 東日本大震災から13年 福島・富岡町
東日本大震災から11日で13年となります。福島県の富岡町からお伝えします。
私の後ろ、遠くて見えないのですが、福島第一原発があります。ここから、およそ7キロほど離れた場所ですが、富岡町では13年前、福島第一原発の事故の影響で、町民全員が避難を余儀なくされました。
その後、避難指示は段階的に解除されましたが、避難先から戻ってきた人は、わずか6%と、13年という月日が経過しても、以前の町の姿に戻ることはありません。
私がいるのは「夜の森地区」といいますが、この場所に自由に立ち入ることができるようになったのは、わずか2年前のことです。
こうした中、住民の希望になっているのが私の後ろに並ぶ桜並木です。全長が2.2キロ、およそ420本の桜の木が連なり、地区全体では1200本の桜の木が植えられています。満開を迎えると多くの人が見事な桜を見に、訪れるということです。
桜並木沿いを少し歩いてみます。桜並木は奥のほうまで、ずーっと見えなくなるまで続いています。今年は暖冬が続いて、暖かい日が多く、桜の開花も早まることがあるということです。
許可を頂いて、桜のつぼみを見てみますと、ちょっと膨らんでいて、もう少しすると先の方が黄色や緑に変色してくるということです。
あと20日から1か月ほどで満開になると、この辺り一帯がピンク色に覆われるということです。その絶景を見に、多くの人が集まるその瞬間を町の人たちは待っています。