「平日休み」を増やそう! 観光庁も後押し… でも取れてる? 実際の取り組みは?
休みを取るなら、宿泊施設も安く、渋滞も少ない「平日」にしたい。そう感じる人も多いのではないでしょうか。全国知事会による提言、観光庁による“平日の休みを増やそう”とするキャンペーンなど後押しの動きもみられます。しかし実際、平日の休みは簡単に取れるものでしょうか。会社や自治体の取り組みを調べました。
有働由美子キャスター
「『平日休み』と聞くと、宿泊施設も安いし渋滞も少ないし、『平日に休めるといいなあ』と魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。いま、“平日の休みを増やそう”という動きが出てきています」
「全国知事会では、平日でも休みやすくする『休み方改革』の推進が提言されました。さらに28日、観光庁でも『平日にもう1泊』キャンペーンが改めて発表されたんです。小栗さん、『平日』がキーワードですね」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうなんです」
小栗解説委員
「東京ディズニーリゾートは10月1日から、パークチケットの最高価格を1万900円にすると発表しました。この狙いも、休日と平日の混雑の差をなるべくなくすためなんです。同じように観光庁も、平日に多くの人々に旅行してもらおうと、平日がお得になるよう後押しもしています」
小栗解説委員
「これによって、例えば平日に宿泊をすると2泊目が半額になるホテルリゾートや、ホテル内のスパが滞在中フリーになる大阪のホテル、京都のホテルでは対象となるプランの予約をすると館内レストランで利用できる3000円分の食事券がもらえたりもするんです」
■でも…平日休暇、取りやすい? 会社や自治体の取り組みは?
有働キャスター
「どれも魅力的ですが、では平日にそう簡単に休めるかというと、それもなという気がするんですが」
小栗解説委員
「どうなっているんでしょう。少し取りやすくなっているのかどうか、街の声を聞いてみました」
平日勤務の製造業(40代)
「なかなか難しいかな。子どもが学校行ってたりすると、そこで休みもとれないし」
平日勤務のコンサル業(29)
「(平日休み)いいなって。(休んだ分)誰かがやってくれてるんだろうなって思うと、すっきり休めないとかは」
小栗解説委員
「いろいろな声がありますが、平日休暇について、実はすでに取り組んでいる企業や自治体もあります。日立製作所では1日の最低勤務時間の制限を廃止しました。それにより月曜から金曜まで5日間の業務を4日でこなせれば、総労働時間は変わらず、給与もそのままで週休3日が可能になるわけです」
有働キャスター
「いいですね」
小栗解説委員
「愛知県では『休み方改革』として、会社独自に祝日や休日を平日に振り替えられたり、平日の旅行を進めるため割引特典を提供するなどの取り組みが進められています」
■柔軟に休める制度 「申し訳ない」とならない空気感を
有働キャスター
「辻さん、経営者としてはいかがですか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「うちの会社は休むタイミングとか理由も比較的自由だと思っていて、例えば、推しのアイドルの卒業がショックで“傷心休み”を取るとか、家族の誕生日で休んだ人もいました」
「どんな理由でも『申し訳ない』とならない空気感を作ることが大事だと思っています。社員同士でも『いいね、楽しんで』というやりとりが多い印象はあります。柔軟に休める制度があるからこそ『忙しい時期は全力で働く』というモチベーションアップにもつながるし、会社としても積極的に取り組んでいきたいとがんばっているところです」
◇
有働キャスター
「本気で『平日休み』を増やそうというなら、『そんな余裕ないよ』という企業の経営者まで巻き込んで、働く人たちが休める効果的な支援を打ち出してほしいと思います」
(6月28日『news zero』より)