総理の足元に「手製のパイプ爆弾」か その特徴や威力は…専門家が考察【バンキシャ!】
岸田総理の足元に投げ込まれた“銀色の筒状のもの”。銃器に詳しい専門家は、金属製の「パイプ爆弾」ではないかとの見方を示しました。パイプ爆弾とはどのようなものなのか? 今回、使われたものの特徴や威力は──。専門家とともに考察します。(真相報道バンキシャ!)
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ドーン!
大きな爆発音とともに、聴衆から悲鳴があがった。選挙に向けた演説を聞こうと集まった大勢の人の頭上を越え、岸田総理大臣の足元に爆発物が投げ込まれた。地面に落下した直後には、筒から火花のようなものも確認された。現場で爆発物を目撃した男性によると、投げ込まれた爆発物は、「20センチから30センチくらいの銀色の筒」で、赤と青の光が、点灯や点滅をしていたという。
この「銀色の筒」は、現場にいた多くの人が目撃していた。
目撃者
「(男が)発煙筒みたいなものを投げた」
目撃者
「銀色のジュースの缶のようなもの。筒状のもの」
そして、取り押さえられた木村隆二容疑者の左手にも、銀色の筒のようなものがにぎられていた。これはいったい何なのか。銃器に詳しい津田哲也氏に話を聞いた。
銃器評論家・津田哲也氏
「金属製のパイプ爆弾であろうと思います」
金属製の筒の中に火薬を入れて密閉し、それを爆発させる手製の「パイプ爆弾」とみられるという。そして、津田氏が注目していたのは、爆発までの時間だ。
銃器評論家・津田哲也氏
「投てきされてから爆発まで時間差がありましたので、時限発火式なのか、もしくはリモートコントロールによる発火式」
爆発音がする前、木村容疑者は右手に“黒いもの”をにぎっていたことが分かっている。
銃器評論家・津田哲也氏
「そのにぎっている部分に、発火装置的なものがあるのかもしれませんね」
そして「パイプ爆弾」が投げられてからおよそ50秒──。
ドーン!
爆弾は爆発した。
津田氏によると、今回の「パイプ爆弾」は、時限発火式の可能性も考えられるという。では、威力はどれほどだったのか。
「殺傷力は極めて低い爆弾だとみています」津田氏は映像を見て言った。「周りにいた人たちは、爆発した時点で、それほど遠くまで逃げていらっしゃらなかったようだった。それでも死傷者がほとんどゼロに近い」
津田氏によると、パイプ爆弾は爆発すると本体の金属片などが飛び散り、周囲の人を殺傷するものだというが、今回はケガ人が少ないと指摘した。
銃器評論家・津田哲也氏
「金属の質感が鉄ではなさそうですね。軟度のある、やわらかい金属が使われた可能性がある」
爆発しても、破片が散乱しにくいアルミニウムなどが使われた可能性もあるという。
調べに対し黙秘しているという木村容疑者。警察は動機などを調べる方針だ。
(4月16日放送『真相報道バンキシャ!』より)