新幹線で「プロレス」や「誕生日パーティー」開催 移動だけじゃない…広がる鉄道各社の新サービス 【#みんなのギモン】
19日のギモンは「新幹線でなぜプロレス?」です。
18日までの3連休で鉄道を使ったという人もいるかもしれませんが今、鉄道はただの移動手段ではなくなってきています。
18日に東海道新幹線「のぞみ」で史上初の試み、新幹線プロレスが行われました。普段は旅行客や出張のサラリーマンなどで比較的静かな空間が熱狂の渦に包まれました。
そこで19日のギモンはこちらの2点です。
◇移動だけじゃない 車両が○○空間に
◇旅行が楽チン? 新サービス
■「社員研修」「新商品のプレゼン」も…新幹線の車両貸し切りサービス
なぜ新幹線がプロレスのリングになったのか。
実はプロレスの興行団体が活用したサービスがありました。それがJR東海の「車両貸し切りサービス」です。
去年12月に始まったもので、列車は「のぞみ号」限定です。首都圏と名古屋、京都、新大阪を結んだ3区間が対象で、これまでに80件以上の申し込みがあり、19日時点ですでに34件実施しているということです。
どのような使われ方をしたかといいますと、「社員研修」「新商品のプレゼン」「スポーツ観戦に行くまでのファンイベント」「誕生日パーティー」などだといいます。乗車人員にかかわらず貸し切りができるそうです。
申し込みは2か月前までで、気になる値段はサービスによって違います。1車両で最大の座席数100席分をすべて買うよりも結果的には安くなるそうです。
ではどうしてこのサービスを始めたのか、きっかけは新型コロナでした。利用者が減少するなか、移動だけではない新たな使い方を利用者が考えてくれることを期待し、イベント空間として貸し出すことにしたということです。
ただの移動手段だけではない鉄道の使い方が広がっています。
まずは、先ほども触れたJR東海は、2021年から「のぞみ」の7号車を、仕事に集中したい乗客専用の「S Work車両」に設定しています。
通信環境がほかの車両よりも充実していて、電話もOKだそうです。気兼ねなく仕事ができて、来月からは「ひかり」と「こだま」でも導入されます。似たようなサービスは、JR東日本なども行っています。
一方で、旅行で利用したい場合は、今年7月にデビューした東武鉄道の「スペーシアX」がおすすめです。東京・浅草と栃木・日光などを結んでいて、先頭車両では運転席を眺めながら栃木県のクラフトビールをいただくことができます。また、ラウンジではビールのほか、日光のレストランやコーヒー店などと開発したスナックやスイーツが提供されます。
そして、車内には6つのタイプの座席があって、家族やグループに対応した個室も用意されています。
ここで2つめのポイント「旅行が楽チン? 新サービス」をみていきます。
移動手段だけじゃないサービスも広がっています。JR九州が今月14日に開始したのが「博多駅から特急ソニックにのせて大分駅。そして、トラックで大分の由布院や別府のホテルに手荷物を届けてくれる」というサービスです。博多駅で預けたらホテルで受け取るだけで、料金は荷物1個につき2500円だそうです。
サービスを利用した際の移動は必ず特急ソニックを使う必要はなく、普通列車でも大丈夫です。このサービスは列車内の荷物置きスペースの混雑緩和につながるメリットもあります。
さらに、コロナ禍で話題になった産地直送サービスも浸透してきています。JR東日本は先月、上越新幹線で荷物を運ぶ試験を行いました。運んだ荷物は「鮮魚」「青果」「精密機器」「医薬品」などで、往復で約900箱も運んだそうです。来年度以降の事業化を目指して取り組んでいるといいます。
「新幹線の利用客はコロナ前の水準に戻りつつあるものの、出張などビジネス目的の客はコロナ前ほど戻っていません。また、将来的に少子高齢化で国内需要が先細っていくとみられている中、そこを見越して『長距離移動する行楽客などを増やす』。そして『ビジネス車両を活用して出張客を増やす』。『荷物の輸送などで新たな活路を見いだす』。現状の輸送力を最大限生かしてどうやって利益を増やしていくのか、あの手この手でいろいろなプランを試して、何が効果的か見極めている」と梅原さんは指摘します。
◇
鉄道の新サービスは、私たちの生活にも新たな可能性をもたらしそうです。
(2023年9月19日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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