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【解説】「終活」親と話し合わない理由は「切り出しにくい」 介護・葬儀にどんな希望が…会話のきっかけは

2022年12月27日 20:45
【解説】「終活」親と話し合わない理由は「切り出しにくい」 介護・葬儀にどんな希望が…会話のきっかけは

「年末年始に実家に帰る」という人も多いと思いますが、「終活」の話、みなさんは親御さんとしていますか。年末年始は良い機会となりそうですが、何を話したら良いかわからない人も多いのではないでしょうか。会話のきっかけなどを解説します。

●切り出すきっかけ
●生前に話したい事
●親の本音は?

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■「終活」…親と話し合わない理由

医療・介護関連の情報サービス会社のエス・エム・エス「安心葬儀」が、60歳以上の親を持つ男女1003人にアンケートを行いました。

親と終活について「話したことがある人」は32.3%、「話した事がない人」は67.7%という結果となりました。元気な今のうちに、気軽に話しておくのが良いと思います。

「話したことがない」と答えた人の半数以上は、「話したことはないが、話したい」と思っているようでした。

では、なぜ話さないのか…親の終活について話さない理由の1位は「切り出しにくい・話しにくい(44.8%)」、2位は「話す機会・時間がない(27.9%)」、3位は「何を話すべきかわからない(21.9%)」となりました。

街の人に話を聞くと、82歳の母親を持つ50代の男性は「父親が去年亡くなったので、(母と)終活の話をよくします。介護も葬儀の話もしていますね」と話し、両親とも他界したという60代の女性は「父が元気で病気になる前、年末年始とかお盆とか集まった時に話をしていました」と話していました。

■「終活」話そうと思ったきっかけは

年末年始は良い機会となりそうですが、ただ“何を話したら良いかわからない”という人も多いと思います。アンケートによると、「親と生前に話しておきたいこと」のトップ3は、1位「介護の希望」、2位「葬儀」、3位「延命治療」となりました。4位「相続財産など」、5位「納骨・お墓」などよりも上位という意外な結果となりました。

これについて街の人に聞くと、82歳の母親を持つ50代の姉妹は「母とは定期預金に入れないで、普通預金にしてもらったり…父の時に大変だったので。定期預金を下ろすのに『死んでしまってからだと大変だ』と聞いて、生きている間に普通預金にして」といった対策をしたと話し、先ほどの82歳の母親を持つ50代の男性は「『介護だと、どこの施設に入る』とか、『葬儀だったら、簡単な葬儀でいい』とか話しています」と話していました。

「終活について親と話そう」と思ったきっかけについて、1番多かったのはは「ニュースなどで見聞きした(38.7%)」、2番目は「新型コロナウイルスの影響で先々考えた(22.7%)」、3番目は「家族・親族が亡くなった(20.1%)」でした。

「親と終活について話そう」と思った人のうち、5人に1人以上は新型コロナで終活を意識したということがわかり、近年の情勢を反映する結果となりました。

「親に確かなことを聞けないうちにホームに入り、今はコロナで面会が自由にできない」、「親が元気なうちに話しておけば、気持ち的に楽。弱っている親に、終活の話は言いづらい」という声もありました。

また、若い世代からも、こんなヒントが。「“エンディングメモ”みたいなのを毎年親の誕生日に受け取っている。最初はビックリしたけど、必要だと思った」と明かしています。

では、親の方ではどう思っているのでしょうか。街で聞いてみると、88歳の会社員からは「まだ元気で働いているから(終活は)考えていません。人生100年時代でしょ? 88だったら、あと12年ある」という声もありました。

シニア世代にとっても、終活は「まだ先のこと」、「やらないといけないとわかっているけど、気持ちが進まない」と後回しにする傾向があるそうです。

■今年のシニアトレンドは「コンパクト終活」

こうした中、今年のシニアトレンドに「コンパクト終活」も選ばれました。

コロナ禍もあって、葬儀などは身内だけでコンパクトに行われることも増えてきました。「自分の葬儀も身内だけで」と割り切って、「生前整理もコンパクトにしたい」という人が増えてきています。

「エンディングノート」ではなく、「シンプルなシート」にお金のこと、例えば「銀行など金融機関名」「口座番号」などを記入します。さらに葬儀のこと、「訃報の連絡先」などを記入する欄もあります。記入していくだけにしたら、身の回りも気持ちもスッキリして、気軽に前向きに取り組めるということで、支持されているようです。

     ◇

「まだ元気だから」、「なかなかきっかけがなくて」と先延ばしにしていると、いざという時に、慌ててしまいます。この年末年始を、まずは話してみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

(2022年12月27日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)
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