米価高騰のあおり受け 主食用米への転換が懸念される酒米や新品種「あきたこまちR」について議論 秋田県議会農林水産委員会
全国的に人気の高い銘柄がそろう秋田の日本酒。その生産に欠かせない酒米がコメの価格高騰のあおりを受けています。
主食用米への転換が懸念される酒米の確保や、この春から生産が始まる新品種「あきたこまちR」について県議会で議論が交わされました。
あきたこまちRは従来の「あきたこまち」と比べ、土壌中の有害物質=カドミウムをほとんど吸収しないため、食の安全性向上が期待されています。
この春の作付けから農家に提供される種子はこの「あきたこまちR」に切り替えられ、全県で栽培が始まることになっています。
20日の県議会農林水産委員会では、県内の生産者から注文された2130トンあまりの種子供給に問題がないことなど、取り組み状況が報告されました。
またコメの価格高騰のあおりを受けている『酒米』について議論が交わされました。
自民党 柴田正敏 議員
「逆転現象が起きたんですよ。いままでであれば、酒米を作っている人たちはプライドを持ちながら産地の育成のために一生懸命やってきたんですけれども」「うるち米のほうが高いから、そっちにかわろうかなという農家さんも結構いるんだそうですね」
清酒の出荷量、全国上位の秋田県。酒米の生産は秋田の酒造りの根幹を支えています。
県内の酒造会社33社でつくる秋田県酒造協同組合は秋田放送の取材に「すでに来年度の酒造りに向けた酒米購入について契約できなかった例がある」「今後のコメの価格次第で、酒米から主食用米に転換する生産者も出ることが予想されることから、備蓄米放出を受けた価格動向を注視している」と話しています。
「酒米生産者への支援が必要ではないか」という議員の指摘に対し県は「酒米の安定生産に向けた品種の改良や、低コスト化など技術対策に継続して取り組む」と答えました。