“大麻グミ” 立ち入り調査で「販売停止命令」も… 製造・販売会社の社長「違法ではない」反論
いわゆる“大麻グミ”を食べた人の救急搬送が相次いでいます。17日、製造・販売会社に厚生労働省の麻薬取締部などが立ち入り調査に入りました。その数時間前、会社の社長が私たちの取材に応じ、語ったことは…。
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何人ものスーツ姿の男性たちが一斉に入った先は、いわゆる“大麻グミ”を製造・販売している会社の大阪市内の店舗。17日午後、厚生労働省の麻薬取締部などが立ち入り調査に乗り出しました。
その数時間前、会社の社長は私たちの取材に応じていました。
“大麻グミ”製造・販売会社社長
「我々が販売しているモノは違法な成分ではないので、違法性はない。脱法ではないと思っています」
社長は「違法ではない」と繰り返していました。
“大麻グミ”には大麻成分に似た合成化合物「HHCH」が含まれているとの記載がありますが、「HHCH」は現在、法律で規制されていないため、この会社は今年4月から販売を開始したといいます。
“大麻グミ”製造・販売会社社長
「我々は半年以上前からHHCHを摂取していますが、今のところ人体への影響はございません」
ただ、“大麻グミ”を食べて体調不良を訴えるケースは相次いでいます。
捜査関係者によると、東京では今月3日、押上駅で“大麻グミ”を食べた20代の男女4人が病院へ搬送されました。その翌日、小金井市の祭りでは男女5人が病院に運ばれ、15日も板橋区のマンションで20代の男女2人が病院に搬送されました。
そして、大阪でも今年に入って“大麻グミ”を食べたとみられる若者らあわせて十数人が、体調不良で病院に運ばれました。
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さらに、17日も新たな被害が明らかになりました。
捜査関係者によると先月7日、新橋の飲食店で行われたイベントの参加者が“大麻グミ”を続けて4個食べ、一時意識不明になったということです。
“大麻グミ”製造・販売会社社長
「(体調不良者は)現在、把握しているのが、数か月に1、2件程度です」
オンライン販売も行っているというこの会社。購入のページには未成年などは使用を控えるよう記載していると主張しました。
――オンラインの購入で身分の確認は?
“大麻グミ”製造・販売会社社長
「20歳以上のポップアップをクリックしてもらう必要があります」
――それ以上の確認は現状はない?
“大麻グミ”製造・販売会社社長
「おっしゃる意味が分からない。その質問はナンセンスじゃないですかね」
「商品は合法であり、販売を続ける」と話した会社側。しかし、問題を受け、国も動き始めました。
厚労省麻薬取締部は17日、大阪の店舗のほか、渋谷区や豊島区の販売店にも立ち入り調査。その結果、渋谷区の店から法律で禁止された指定薬物に似た成分を含んでいるとみられる「グミ」が見つかったということです。
店には検査結果が出るまでの間、販売停止命令が出されたといいます。厚労省は“大麻グミ”に含まれるとされる合成化合物の規制を検討する考えを示しました。
(11月17日放送『news zero』より)