2日のギモンは「大掃除は秋がおすすめ？」です。

11月になって、そろそろ「大掃除」を考える時期になってきました。電気代が高騰する中、年末ではなく、秋に大掃除する方が家計にお得ということを検討するご家庭も出始めているようです。

ソニー損保が9月に200人を対象に調査した「今年になってから家計への影響が大きいと感じている値上げ品目」では、5位の「食用油（47％）」、4位の「乳製品（55.5％）」、3位の「小麦粉・小麦製品（59％）」、2位の「ガソリン（75％）」をおさえ、「電気・ガス・水道料金（79.5％）」で、約8割の人が光熱費の値上げによる家計への影響を感じていました。

東京電力のモデル家庭（従量電灯B・30A　使用電力量260kWh/月）の料金をみてみると、使用量が平均的な家庭で12月請求分の電気代の平均は「7459円」でした。前の月から52円下がっていますが、やはり高い状態が続いています。

電気代節約のためにも今からやっておいた方がいいのが「秋掃除」だと専門業者はいいます。

◇年末大掃除より秋掃除
◇繁忙期避け「早割」でお得

■秋掃除…お得な4つの理由

なぜ、年末ではなく秋に掃除するのが家計にはお得なのか。

家事代行会社「CaSy」の河野依香さんに話を聞きました。まず「秋はエアコンがいらない」といいます。掃除中の換気、窓掃除をしている時は窓の開け閉めをします。暖房を使う冬だと電気代が上がる原因になります。エアコンの必要がない秋のうちに掃除をするのがおすすめだといいます。

2つ目が「お湯を使わずに節約」です。冬は水よりもお湯を使います。そうなるとガス代がかかります。

3つ目は「汚れが落ちやすい」です。寒いと空気が乾燥して汚れが固まりやすく、落ちにくくなってしまうということです。

4つめは「乾きやすい」です。冬は気温が低いので大きな洗濯物、カーテンやカーペットが乾きにくくなります。でも、今の時期だとカーテンは洗ってそのままレールにかけて、窓を開けておけば自然乾燥できます。乾燥機を使わなくて済むし、コインランドリーに行かなくても乾く。こうしたことから、冬よりも秋の方がおすすめだということです。

■涼しくなった今だから…夏に“放置”していたあの場所

秋掃除におすすめの場所も聞きました。

まずは「窓掃除」です。冬は窓が結露します。そうすると、水分が窓の下にたまっているほこりに落ちていき、低温でほこりが固まってしまうので汚れが取れにくくなります。そうなる前の秋に掃除しておくのがよいというわけです。

次に「エアコン」です。今年は猛暑や残暑が続き、エアコンの稼働時間が例年よりも長く、汚れも多くたまっているそうです。フィルターに汚れがたまっていると、暖房効果が下がって電気代が無駄にかかります。フィルターの掃除がしてある場合、環境省の試算ですが、暖房では約6％消費電力が削減されます。なので、暖房を使う冬より前に掃除をしておくと、電気代の節約になるというわけです。

3つめは「キッチンの掃除」です。日中の気温が高いと油汚れが落ちやすくなります。場所によりますが、お湯を使わずに水で掃除できるところもあります。

4つ目は「浴室」です。水で掃除できる秋のうちがおすすめで、夏場に増えたカビも頑固な汚れになる前にカビ用洗剤などを使って早めに洗い流しましょう。

エアコンにもありましたが、猛暑の影響で特に汚れている場所もあります。「ベランダ」と「玄関」です。暑くて掃除をできずに放置されている家庭も多く、その分汚れがたまっている家庭も多いといいます。特に細かい砂やほこりが固まって、なかなか落ちにくくなっているそうです。

もう1つは「壁」です。夏場は暑さとともに湿気が多いので、壁についたほこりが下に落ちにくくなって、くっついたままになっているのも多いそうです。

■業者任せも秋が“お得”…繁忙期前で予約も取りやすく

とはいえ、エアコン内部など自分でできない掃除もあると思います。そこで次のポイント「繁忙期避け『早割』でお得」です。

業者に任せたいといった場合でも、実は秋がお得だといいます。

「東京ガス」「三菱電機」「ソフマップ」などハウスクリーニングを行っている企業は、ともに「大掃除早割キャンペーン」と題した割引を行っています。今、キャンペーンを行っている理由は、各社「繁忙期前だから」ということでした。

12月は、みんなが大掃除をするため予約が混み合ってしまいます。社会的な人手不足の問題もあります。依頼を断ってしまうケースも多々あるそうです。しかし、11月の今なら割引を受けられるだけでなく、予約が取りやすいというメリットもあるそうです。