【気象解説】関東も梅雨入り 本格的な大雨シーズン突入 今後の雨は?
活発な梅雨前線の影響で、週明けにかけて広い範囲で大雨となるおそれが。今後の雨の見通しを、気象予報士の木原実さんに聞きました。
■鹿児島県で「線状降水帯」 記録的な大雨に
21日の明け方に鹿児島県で「線状降水帯」が発生。記録的な大雨となった所がありました。雨の降り方を振り返ります。
21日午前0時の時点では、九州の南部だけでなく九州全域に雨雲が広がっていて、所々で発達した雨雲がみられます。この雨雲は次第に東へと移動していきましたが、九州南部には、明け方から東西にのびるライン状の雨雲が形成され、鹿児島県で「線状降水帯」が発生。断続的に激しい雨や非常に激しい雨が降り、一時、大雨災害の危険度が高まりました。
鹿児島・指宿では、午前8時半までの24時間で423.0ミリの雨が降り、観測史上1位の記録を更新。鹿児島市でも314.0ミリと、6月1位の大雨となりました。
午後5時現在、九州南部の雨は小康状態となっていますが、少しの雨でも土砂災害のおそれがありますので、引き続き警戒が必要です。
■記録的に遅い梅雨入り…関東甲信など
21日は九州だけでなく、近畿から関東でも雨が降り、続々と梅雨入りの発表がありました。すでに梅雨入りが発表されていた九州や四国に加えて、新たに梅雨入りが発表されたのが、関東甲信、東海、近畿です。関東甲信は過去2番目に遅い梅雨入り。近畿も過去3番目、東海も4番目と、1951年以降の74年で2番目3番目という、記録的に遅い梅雨入りとなりました。
■梅雨入り早々“梅雨最盛期”のような大雨に
22日から週明けにかけて、再び各地で大雨となるおそれがあります。22日は再び前線の活動が活発化。九州から雨雲が広がって、西日本では激しい雷雨となり、九州北部を中心に雨量が多くなりそうです。夜には関東でも雨の降り出す所があるでしょう。その後、23日には雨雲が東日本や東北にも広がり、広い範囲で大雨となるおそれがあります。
気象庁の早期注意情報によると、22日は九州や中国、四国で警報級の大雨となる可能性があり、さらにその後、23日には西日本から東日本の広い範囲で警報級の可能性が出ています。
梅雨入りしたばかりの所もありますが、週明けにかけては各地で“梅雨最盛期”のような大雨となるおそれがありますので、今後の情報に注意し、大雨に備えてください。