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【解説】「市販薬」規制強化へ オーバードーズ…高校生の約60人に1人“乱用経験あり”

2023年12月1日 6:17
【解説】「市販薬」規制強化へ オーバードーズ…高校生の約60人に1人“乱用経験あり”

若者の間で広がっている、いわゆるオーバードーズ。市販薬の乱用をするもので、厚労省で市販薬の販売規制を強化しようという動きがあったということです。調査では、高校生の約60人に1人が「市販薬を乱用した経験がある」と答えています。

■大容量や複数の薬の販売は禁止へ 少ない容量の場合でも…

有働由美子キャスター
「今、若者の間で広がっている、いわゆるオーバードーズ。市販薬などを乱用するもので先週には、10代の男女に無許可で市販薬を販売した疑いで4人が逮捕されました。こうした中、乱用の恐れがある市販薬の販売規制を強化しようという動きが厚労省であったということです」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「対象は、依存性のある6つの成分を含むせき止め薬や風邪薬など、乱用の恐れがある市販薬です。30日現在は、中高生などに売る場合は、店は名前や年齢を確認することがルールとなっていますが、それが徹底されていないということです」

「実際、2021年に厚労省が行った調査では、高校生の約60人に1人が『ハイになるため、気分を変えるため』に市販薬を乱用したことがあるという結果も出ています」

有働キャスター
「60人に1人が…」

小栗解説委員
「そのため、新たな規制案では20歳未満の人への大容量や複数の薬の販売は禁止します。また、少ない容量の製品を売る場合でも店側が名前や年齢などを確認して記録することを義務づけるとしています」

「また、私たちが買う場合にも影響があって、20歳以上の人でも大容量や複数の薬を買う場合は、対面、またはオンラインでのビデオ通話による販売に限るとしています」

■専門家「社会の問題にしていかなければならない」

有働キャスター
「大容量、複数はどれくらいの量を想定しているんですか?」

小栗解説委員
「それはまだこれからの議論ということですが、30日現時点では20歳未満に対しては原則、小容量のものを1個販売することが想定されています。また、30日の会議に参加した公益社団法人・全日本医薬品登録販売者協会の杉本雄一会長は、『数の制限は買う側も高いハードルを越えなければならなくなり、評価できる。薬の乱用によって命を奪われる場合もあるので、店や家族など当事者以外も協力して社会の問題にしていかなければならない』と話していました」

有働キャスター
「この議論については廣瀬さんどう見ますか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「氏名・年齢確認の義務化によって気軽に購入できなくなるのは一定程度の効果はあるかと思いますが、店をはしごしたら買えるので、その対策は必要かなと思いました。あとは若者のために大人は何ができるのかというときに、解決しようということよりもまずは寄りそって話を聞く、こういうスタンスが大事かなと思います」

有働キャスター
「そうですね、実際に自分、それから周りの人がオーバードーズで悩んでいるという人は、厚生労働省は、医師や薬剤師に相談するように呼びかけています。そして、『厚労省 薬物 相談』で検索すると、それぞれの自治体にある『精神保健福祉センター』や『こころの健康センター』など相談先の電話一覧が出てきます。今悩んでいる人の少しでも助けになればと思います」

(11月30日放送『news zero』より)