【解説】「早い時期」狙い? 開幕500日前に「入場チケット」販売開始 大阪・関西万博
大阪・関西万博の開幕まで、11月30日で500日。早くも「入場チケット」の販売が始まりました。「開幕券」「前期券」など開幕から“早い時期”のチケットを販売した狙いとは。
「11月30日から販売が開始された万博のチケット。具体的にはどんな種類があるのでしょうか」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「個人で購入できるチケットは『前売り』と『会期中』に購入できるものをあわせて、全部で10種類です。開幕500日前の11月30日から購入できるチケットのうち、『開幕券』は入場時期が開幕後2週間以内、『前期券』は開幕後約3か月以内。早い時期のチケットを早くに購入することで、会期中に購入する1日券よりも最大で3500円も安くなるんです」
有働キャスター
「開幕から早い時期を対象としたチケットを販売した狙いは?」
小栗解説委員
「主に2つの理由があると、国内外の万博に詳しい名古屋学院大学の小林甲一教授はいいます。まずは入場者の分散です。2005年の『愛・地球博』のときは、開幕後1~2か月はガラガラだったということです。万博というのは、開幕当初は人が少なく、後半になると入場客が集中する傾向があるといいます」
「また、今回の万博が開かれる夢洲は、大阪湾にある人工の島で、移動手段が限られているので、開幕初期に来てもらえるように促すことで、入場者数を分散し混雑緩和を図る狙いがあるといいます」
「さらにSNSの普及も理由の1つです。『開幕当初から多くの人に来てもらいSNSにアップしてもらうなどして、万博を盛り上げてもらいたいという思いもあるのでは』と指摘しています。万博協会の関係者も『開幕直後のタイミングでガラガラになるのを避けたい』と話していました」
有働キャスター
「とはいえ、まだ万博の『中身』の部分もはっきり見えていないというのが現実ですよね」
小栗解説委員
「そうなんです。ある万博関係者も『テーマパークのようにお客さんがお金を払いたいと思える具体的なものを今まだ示せていない』と嘆いています。また、想定当初の約2倍にまでふくれあがった建設費をめぐり反発の声もあり、どうしたら行きたくなるようなムードを作れるのかが課題です」
■万博チケット 購入したくなるには?
有働キャスター
「廣瀬さんは、どう思われていますか」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン/株式会社HiRAKU代表取締役(『news zero』パートナー)
「ホームページをあらためて見たのですが、面白そうな企画もけっこうあるな、と思いました。ただ、チケット買ったとき(よりあと)にスケジュールが変わるとか、会社員だと転勤などがあるかもしれないので、公式にリセールできる仕組みがあると(購入の)ハードルが下がっていいな、と思いました。あとは未来への投資と考え、子どもたちをどんどん招待してほしいと思いますね」
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有働キャスター
「本来なら『500日前!チケット買わなきゃ』となりそうなのですが、なんか高まらないのはなぜなのか。経費がどんどんかさんでいる問題、万博後の建物の再利用をどうするのかなど、モヤモヤしている問題を払拭する方の議論も、ちゃんとお願いします」
(11月30日放送『news zero』より)