“第8波”不安でも……年末年始は「行動制限」ナシ 背景に「BA.5」とワクチン 官邸関係者「社会経済活動の維持を優先」
東京の新型コロナウイルス感染者数は増えていますが、年末年始の行動制限は行われないことになりました。背景には主流株や感染状況の変化があります。オミクロン株対応のワクチン接種率は低いものの、政府は“第8波”を乗り切れるか見極める構えです。
■東京で再び増加も…政府「制限ナシ」
有働由美子キャスター
「東京都の新型コロナの新規感染者数について、9日は9012人となり、1万人に迫っています。再び増加傾向になっていますが、松野官房長官は同日、『新たな行動制限は行わない』との認識を示しました」
「この2年、年末年始にかけては会食も旅行も『慎重に』と呼びかけられてきましたが、今年はこうした呼びかけもありません」
■“第6波”と“第7波”の違いは
小栗泉・日本テレビ解説委員
「一口に『新型コロナ』と言っても、以前とは変わってきているためです。厚生労働省の専門家会議・アドバイザリーボードで9日示されたデータでは、今年1~3月の“第6波”と同7~9月の“第7波”の違いが分かります」
「第6波の主流はオミクロン株の『BA.1』や『BA.2』でしたが、第7波は今と同じ『BA.5』でした。東京都の感染者数(累計)を比較すると、第6波が84万3165人、第7波が147万9005人で、第7波の方がかなり多いです」
「その一方で重症者数(累計)では、ワクチンの効果もあって第6波が3749人、第7波が2348人と、第7波の方が1000人以上少なくなっています」
有働キャスター
「今主流のBA.5の方が、感染しても重症化する割合が少ないということですね」
小栗委員
「しかも、第6波の時はまん延防止措置が出ている地域もありましたが、第7波では行動制限はありませんでした。感染拡大当初からコロナ対応にあたる昭和大学病院の相良院長は『この2年で使える薬もでき、治療の方向性を早く出せるようになった』と言います」
「官邸関係者は『第7波の時も行動制限はかけなかった。今回は行動制限よりも、社会経済活動の維持の方が優先度が高い』と話しています」