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10~24歳の女性自殺者数、新型コロナ禍で増加 男性に有意な変化見られず

2023年6月22日 21:52
10~24歳の女性自殺者数、新型コロナ禍で増加 男性に有意な変化見られず

10歳から24歳までの若年層女性の自殺者数が、新型コロナ禍において、増加していたことがわかりました。

横浜市立大学付属病院と慶應義塾大学の共同研究チームは、2012年7月から2022年6月までの10年間分の死亡統計データの解析を行い、10歳から24歳までの女性の新型コロナ禍における自殺者数の増加が顕著であることがわかったと発表しました。

研究チームは自殺者のデータを男女別に10歳~14歳、15歳~19歳、20歳~24歳の3つの年齢グループにわけ、新型コロナ禍(2020年7月以降)と、それ以前の自殺者数を比較し解析を行いました。

解析の結果、男性においてはコロナ禍とそれ以前で自殺者数の有意な変化が見られなかった一方、女性は全ての年齢グループで自殺者数が増加していたことがわかったということです。

また、就業年齢でない10代前半の女児においても自殺者数が増えていることから、自殺の要因として本人の就労や経済状況以外の影響も考えられるとしたほか、コロナ禍で自宅の滞在時間が長くなったことで、虐待や家庭内暴力の対象になりやすい女性や女児への影響がより浮き彫りになった可能性もあると指摘しました。

横浜市立大学の堀田信之化学療法センター長は、コロナ禍における生活様式の変化などが与える精神的影響は男女で差があることが推測されるため、「自殺の予防のために男女で異なるアプローチが必要だと考えられる」としています。