“中古の車いす”でウクライナを支援、修理を手がける高校生たちが実感した“ものづくり”の底力
戦地で右足の一部を失ったウクライナ兵を支えていたのは、日本から届けられた“中古の車いす”。その修理を手がけているのは、なんと愛知県の現役高校生たち。“ものづくり”を通した支援の輪は、約8000㎞以上も離れた日本とウクライナをしっかりと結んでいた。
戦地・ウクライナへ815台以上の“中古の車いす”を支援
長引く戦禍によって、負傷兵や避難民が増加するウクライナ。必要物資はもちろん、車いすなどケガをした人々が使用する福祉器具の不足も続いている。不自由な生活に苦しむ人々を救うべく、日本では去年より東京のNPO法人を中心に、修理した“中古の車いす”をウクライナへ届ける支援を開始。今まで届けた車いすの数は、なんと815台!車いすはウクライナの病院に届けられ、戦争で負傷した兵士や市民たちの生活の支えとなっている。この“中古の車いす”の修理に、愛知県豊橋市の「豊橋工科高等学校」に通う現役高校生たちも参加。今年中に残り約200台を送る計画で、そのうち120台をロボット工学科の3年生たちが担当するという。
車輪交換から錆の除去、慣れない作業に悪戦苦闘!
地元の民間団体と共に、車いすの修理に取り組む「豊橋工科高等学校」の高校生たち。汚れたシートや車輪の交換、ブレーキにこびり付いた錆の除去など、様々な工程をこなし車いすを修理していく。工具を片手に作業服に身を包んでいるが、普段はプログラミングの授業などを受けている生徒たち。プロがサポートするが、ネジの回し方など慣れない作業に悪戦苦闘。それでも、取材日には3時間で28台の車いす修理を完了させた。
生徒曰く「修理の仕方がそれぞれ違うので難しい」という車いす。その分、修理完了後の達成感も大きい。修理に参加している生徒からは、「ものを直すことは本当に大変。でも、“ものづくり”を通して、人々を助けられる活動は良い経験になっています」と、ものづくりの力を実感する声も寄せられた。修理された車いすは、12月以降にウクライナに送られる予定だ。