「地震に負けたくない」 地震で壊滅した輪島朝市が限定復活! 賑わいを支えた愛知県の屋台
朝市の火を消さないために… 1日だけの「出張輪島朝市」開催
「地震に負けたくない。もう一度お店を出したい」
そう書かれたポスターが貼ってあったのは、先月23日、石川県金沢市でたった1日だけ開かれた出張輪島朝市の屋台です。
1000年以上の歴史を持つ輪島の朝市は、石川県にある奥能登の名物の一つとされています。しかし、元日の能登半島地震による大規模な火災でほぼ全域が焼け落ち、伝統の輪島朝市は再開のめどがたっていません。
あの地震から3か月。”朝市の火を消さないために”と組合が立ち上がり、1日だけの「出張輪島朝市」の開催を計画。今回は、金沢市の金石港の協力で、輪島から100キロ以上離れた場所に露店を出すことが実現しました。
朝市の出店者は、「たくさんの方の協力があって、朝市ができると思うので感謝しかないですね」「みんなに会えると元気になる。輪島に行くと(落ち込むが)」と、久々の朝市開催に笑顔を見せていました。
「出張輪島朝市」の会場には、県内外から多くの人が訪れ賑わいましたが、それでも、出店できた店は5分の1程度と、大多数が仕事を再開できない事情を抱えていました。
「私たちにしかできない支援を」 愛知県の家具製作会社が屋台を無償提供
そんな中、朝市の出店者たちから聞こえてきたのは「商品がちょうど良い感じに並べられるし、高さもちょうどいい」「売り場としては最高にいい」という声。
出店者たちから好評だったのは、朝市で使われていた屋台です。この屋台は、愛知県豊橋市にある「老津木工」が届けたもの。オーダーメイドで家具を製作する会社ですが、輪島朝市が限定で復活することを知り、簡単に組み立てられる屋台が役に立つのではと10台を無償で届けました。
老津木工 松井誠社長:
「この屋台に関しては、私たちにしかできない支援かなと思います」
実際に屋台を借りた人からも、「映えるね、輪島塗のお椀とか置いても映えるね」「愛知県の方にもお礼を言いたいです。ありがとうございました」と、喜びの声が上がっていました。
復興への一歩を踏み出した輪島朝市。この地方の支援も受けながら、少しずつ歩みを進めています。